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2022/04/21 09:02

方向感を欠く展開か、決算見極めで様子見も 無料記事

◆21日の香港マーケットは、決算発表シーズン入りで方向感を欠く展開か。(亜州リサーチ編集部)
 外部環境は中立と言える。昨夜の米株市場では、主要指標のNYダウが前日比0.7%高と続伸する半面、ハイテク株比率の大きいナスダック指数は1.2%安と反落するなどまちまちだった。主要企業の1〜3月期決算報告が進む中、業績動向を手がかりにした売り買いが交錯している。売上高が予想を上回ったIBMとプロクター・アンド・ギャンブル(P&G)が大幅上昇し、NYダウを押し上げた。他方、動画配信のネットフリックスが発表した決算では、有料会員数が過去10年で初めて減少したことが判明し、同社株は暴落。ITハイテク株全体の重しとなった。
 一方、内部的には好材料と悪材料が入り混じっている。まず、利下げ期待のはく落はマイナスだ。20日公表された4月の最優遇貸出金利「ローンプライムレート(LPR)」に関しては、市場の引き下げ予想に反し3カ月連続で据え置かれた。中国人民銀行(中央銀行)はこれまで、金融政策の規模を拡大するなど一段の経済支援をしていく方針を表明していただけに、投資家の失望を買っている。半面、経済活動の正常化期待が高まっていることはプラス。中国本土の新型コロナウイルス新規感染者数は減少しつつあり、上海市では3月末に停止していた工場が相次ぎ操業再開している。上海市当局は20日、市内の感染状況は足もとで緩和傾向にあり、感染拡大が効果的に抑制されていると発表した。
 なお、香港では主要な中国企業の決算報告がシーズン入りしている。本日は中国聯通(762/HK)や中国広核電力(1816/HK)、中国建築国際集団(3311/HK)、あす22日は長城汽車(2333/HK)や招商銀行(3968/HK)などが1〜3月期業績を公表する予定だ。
 こうした中、本日の香港・本土マーケットは全体として方向感を欠く展開か。新規材料に乏しい中、業績動向を見極めたいとするスタンスが様子見ムードを強めさせそうだ。また、昨夜の米ハイテク株安も相場の重しとなろう。


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