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2022/03/15 09:00

下値を探る展開か、内外に不安材料 無料記事

◆15日の香港マーケットは、内外の不安材料で下値を探る展開か。(亜州リサーチ編集部)
 外部環境は依然として不透明。昨夜の米株市場では、主要指標のNYダウが前営業日比1.05米ドル高とほぼ横ばいだった。他方、ハイテク株比率の大きいナスダック指数は2.0%安と大幅に3日続落している。米連邦公開市場委員会(FOMC)の開催を15〜16日に控え、金利高の警戒感が高まった。FOMCでは2018年12月以来、およそ3年ぶりの利上げが決定される見通し。金利の先高観も強まり、米10年債利回りは2019年以来の高い水準に達した。株価の割高感が意識され、ハイテクなど高PER(株価収益率)のグロース(成長)株に売りが広がっている。また、ウクライナとロシアは停戦交渉を継続中で、状況を見極めたいとするスタンスも買い手控えにつながった。
 米中関係の悪化も懸念。両国の高官は14日にローマで会談し、米国側は中国に「ロシアとの友好関係に強い懸念を抱いている」と伝えた。「中国がロシアを支援すれば経済制裁を科す」とも警告している。米株市場では、中国テクノロジー企業で構成される上場投資信託(ETF)が11.7%安と急落し、13年に上場して以来の安値で引けた。
 内部的にも不安材料がある。中でも、新型コロナウイルス感染再拡大がネガティブだ。感染が全国的に広がる中国本土では、代表的なハイテク企業が本社を構える深セン市など、複数の大都市が事実上のロックダウンに踏み切っている。経済活動の停滞も懸念される状況だ。また、本日の取引時間中(日本時間11時ごろ)に公表される1〜2月の各種経済統計に関しては、小売売上高や鉱工業生産などの伸びが大幅に鈍化すると見込まれている。先行して中国人民銀行(中央銀行)が先週発表した今年2月の金融統計では、国内金融機関の新規融資が前月実績から予想以上に縮小し、マネーサプライ(通貨供給量)M2の伸び率も予想を下回った。
 こうした中、本日の香港・本土マーケットは下値を探る展開となろう。上述したように、内外環境の不透明感が投資家のリスク回避スタンスを強めさせそうだ。ただ、前日の下げが大きかっただけに(ハンセン指数は5.0%安で6年ぶり安値、上海総合指数は2.6%安で1年5カ月ぶり安値)、下値では自律反発狙いの買いが期待できよう。


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