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2022/06/17 08:51

売り先行か、世界景気の先行きを懸念 無料記事

◆17日の香港マーケットは、世界景気の先行き不安で売られる展開か。(亜州リサーチ編集部)
外部環境はネガティブ。昨夜の米株市場では、主要指標のNYダウが前日比2.4%安と急反落し、終値は2万9927.07米ドルと節目の3万米ドルを割り込んだ(2020年12月以来の安値)。また、ハイテク株比率の大きいナスダック指数は4.1%安と3日ぶりに急反落している(20年9月以来の安値)。世界的な金融引き締めと米国の景気不安が投資家のリスク回避スタンスを強めさせた。経済が低成長のスイスがサプライズ利上げに踏み切ったことを受け、高インフレの懸念が再燃。インフレ抑制のため、米国や欧州(EU)なども更に利上げを急ぐと警戒された。米経済指標が軒並み悪化したことも不安材料。6月のフィラデルフィア連銀業況指数はマイナス3.3となり、3カ月連続で低下し、2020年5月以来で初めてマイナス圏に沈んだ。また、5月の米住宅着工件数は予想以上に減少し、約1年ぶりの低水準に落ち込んでいる。
 一方、内部的には、新型コロナウイルス感染再拡大が警戒される状況。集団感染が確認された首都北京市では、13日から大規模なPCR検査が実施されている。15日からは全ての公共バス路線で「PCR陰性証明」のチェックが始まった。国内最大の経済都市、上海市では、少なくとも週一度の検査を7月末まで実施することが決定されている。中国政府は「ゼロコロナ」政策を堅持しているだけに、ロックダウン(都市封鎖)突入の不安がくすぶる状況だ。他方、経済対策の期待感は持続。足もとでは政府関係部局が雇用やインフラ投資、産業支援、消費振興などに向けた対策を相次ぎ発表しているほか、プラットフォーム企業や不動産デベロッパーなどに向けた産業統制もやや緩和されている。
 なお、中国人民銀行(中央銀行)は週明け20日、銀行貸し出しの指標となる6月の最優遇貸出金利「ローンプライムレート(LPR)」を発表する予定。コンセンサス予想では、1年物(前月は3.70%)と5年物(同4.45%)がそれぞれ据え置かれる見通しだ。前月(5月分)は、5年物が予想以上に引き下げられていた。
 こうした中、本日の香港・本土マーケットは苦戦を強いられそうだ。上述したように、欧米の金融引き締めで世界的に景気が冷え込むとの不安が高まっている。週明けのLPR公表も気がかり材料だ。


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