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2022/06/15 08:47

方向感を欠く展開か、中国経済指標と米金融政策を見極め 無料記事

◆15日の香港マーケットは、中国経済指標と米金融政策の見極めで方向感を欠く展開か。(亜州リサーチ編集部)
 外部環境は依然として不透明。インフレ高進を背景に、「米連邦準備理事会(FRB)は利上げペースを速める」との観測が強まっている。5月の米消費者物価指数(CPI)が40年5カ月ぶりの高い伸び率となったことに続き、同月の生産者物価指数(PPI)も高止まりした。FRBは14〜15日の米連邦公開市場委員会(FOMC)で通常の3倍となる0.75%の利上げを決定する――との観測も浮上している。米10年債利回りは上昇基調を強め、約10年ぶりの高水準に達した。米株市場も不安定な値動き。このところの下落基調を受け、押し目を拾う動きはみられたものの、全体としては上値が重かった。主要指標のNYダウは前日比0.5%安と5日続落し、連日で年初来安値を更新。ハイテク株比率の大きいナスダック指数は0.2%高と5日ぶりに反発したが、上昇の勢いは弱かった。
 他方、中国企業のADR(米国預託証券)で構成されるナスダック・ゴールデン・ドラゴン中国指数(HXC)は6.9%高と急反発。JPモルガンやゴールドマン・サックスなど、ブローカー大手は相次ぎ、中国ネット株の持ち直しを予想した。
 一方、中国では本日の取引時間中(日本時間11時ごろ)に、今年5月の中国経済統計(小売売上高や鉱工業生産など)がまとめて公表される予定。最新のコンセンサス予想では、小売売上高がマイナス7.1%となり、前月(マイナス11.1%)に続き弱い内容になるとみられている。
 こうした中、本日の香港・本土マーケットは全体として方向感を欠く展開か。中国経済指標と米金融政策を見極めたいとするスタンスが強まれば、積極的な売買が手控えられることとなろう。ただ、上述したJPモルガンやゴールドマン・サックスのほか、シティグループも最新リポートで、中国系銘柄が最悪期を通過したとの見解を示していることもあり、見直し買いが入る可能性も高そうだ。


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