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2025/04/07 08:43

下値を探る展開か、世界景気の先行きを不安視 無料記事

◆連休明け7日の香港マーケットは、世界経済の先行き不安で下値を探る展開か。(亜州リサーチ編集部)
 外部環境はネガティブ。貿易戦争のエスカレートで世界経済の先行きが悲観されている。トランプ米政権が貿易相手国に同水準の関税を課す「相互関税」を発動したことを受け、中国政府は米国からの輸入品全てに34%の追加関税を課すほか、レアアース輸出規制も発表した。世界の二大経済大国、米国と中国が関税応酬で強気の姿勢を示す中、世界のサプライチェーン(供給網)混乱や景気下押しが危惧されている。「トランプ関税」にはカナダなどが報復措置を打ち出したほか、欧州連合(EU)も対抗措置を示唆した。米金融大手JPモルガン・チェースは4日、米国と世界が今年、リセッション(景気後退)に陥る確率を従来の40%→60%に引き上げている。
 4日の米株市場は主要指標のNYダウが前日比5.5%安と続落し、約10カ月ぶりの安値を付けた。1日の下げ幅としては史上3番目となる。ハイテク株比率の大きいナスダック指数は5.8%安と続落し、昨年4月下旬以来の安値を付けた。米株市場の不安心理を表すVIX(20を超えると不安心理が高まった状態とされる通称「恐怖指数」)は前日比で50.93%高い45.31で終了。市場がパニックに近い状態とされる40を上回った。日本時間7日早朝の米株先物は更に下げている。
 商品相場は、WTI原油先物が7.4%安と大幅続落し、一時、約4年ぶりの安値を付けた。金先物も2.8%安と続落している。ロンドン金属取引所(LME)では、銅やアルミなど主要産品が軒並み急落した。
 内部環境も不透明。格付け大手のフィッチは3日、財政基盤の悪化が続いているとして、中国の信用格付けを従来の「Aプラス」から「A」に引き下げた。中国当局が財政支援のスタンを強める中、公的債務が急速に増加している。また、一部のアナリストは、貿易戦争により中国のGDP(国内総生産)伸び率が2ポイント低下する可能性があると指摘した。
 こうした中、本日の香港・本土マーケットは全体として苦戦を強いられよう。中国の政策に対する期待は根強いものの、それ以上に景気不安が高まっている。清明節の祝日による休場中に、世界の主要株価指数が急落した流れを継ぎそうだ。


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