◆28日の香港マーケットは、中国経済対策の期待感で下値の堅い展開か。(亜州リサーチ編集部)
外部環境はやや不透明。先週末の米株市場では、主要指標のNYダウが前営業日比0.2％安、ハイテク株比率の大きいナスダック指数が0.7％安とそろって3日ぶりに反落した。米長期金利の上昇が嫌気される。経済指標上振れや原油高を背景にインフレ懸念が再燃する中、米10年債利回りは上昇基調を強め、再び3.20％台に乗せた。株価の割高感が意識され、ハイテクなど高PER（株価収益率）のグロース（成長）株に物色が広がっている。
　一方、中国国内の環境は良好。中国経済対策や、経済活動正常化に対する期待感が続いている。中国人民銀行（中央銀行）のウェブサイトには、「景気回復を支援するため、緩和的な金融政策を継続する」と易綱・総裁の談話が掲載された。人民銀は27日、リバースレポを通じ満期分との差引で900億人民元を市中供給。先週末に続き、資金供給を拡大させた。米債券利回りの上昇基調は強まっているが、中国10年債利回りは安定的に推移している。また、6月の専項債（公益事業向け資金調達を行う特別地方債）発行額が急増した――とも伝わった。
　こうした中、本日の香港・本土マーケットは全体として底値の堅い展開か。米金利高を嫌気した売りが先行する可能性は高いものの、中国経済対策の期待感は根強く、下値を拾う動きはみられよう。


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