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2022/03/09 08:50

上値の重い展開か、インフレ高進を警戒 無料記事

◆9日の香港マーケットは、インフレ高進の警戒感で上値の重い展開か。(亜州リサーチ編集部)
 外部環境は不透明感が漂う。昨夜の米株市場では、主要指標のNYダウが前日比0.6%安、ハイテク株比率の大きいナスダック指数が0.3%安とそろって4日続落した。エネルギー需給のひっ迫でインフレが進むと警戒されている。バイデン米大統領は8日、ロシア産原油の輸入を禁止すると発表した。これより先、米銀大手は最新リポートで、欧米諸国の制裁次第で原油相場は1バレル当たり200米ドルを突破する可能性もあると指摘。WTI原油先物は3.6%高の123.70米ドルと3日続伸で取引を終えた。ただ、ウクライナ情勢の改善期待で指数はプラスに転じる場面もみられている。一部メディアが「ウクライナは北大西洋条約機構(NATO)加盟を断念し、ロシア側に妥協する姿勢を見せた」と報道。停戦協議が進むと期待された。
 一方、中国では、来週にかけて2月の経済統計が相次ぎ発表される。きょう9日は物価統計、来週15日は小売売上高や鉱工業生産、15日までに金融統計など。本日朝方(日本時間10時半ごろ)公表される物価統計に関しては、消費者物価指数(CPI)の上昇率が前年同月比0.9%(前月は同0.9%)、生産者物価指数(PPI)が同9.1%(同8.6%)で着地する見込みだ。
 こうした中、本日の香港・本土マーケットは全体として上値の重い展開となろう。インフレ高進が逆風だ。足元では原油のほか、非鉄や小麦なども記録的な高水準で推移している。中国で報告される物価統計によっては、売りに拍車がかかる恐れもあろう。ただ、指数はこのところ急ピッチに下落していることもあり(ハンセン指数は約5年8カ月ぶり安値、上海総合指数は約1年4カ月ぶり安値)、売り一巡後は自律反発狙いの買いが入る可能性もありそうだ。


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