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2022/06/01 08:59

上値の重い展開か、インフレ高進を警戒 無料記事

◆6月1日の香港マーケットは、インフレ高進の警戒感で上値の重い展開か。(亜州リサーチ編集部)
 外部環境は安定的。休場明けとなった昨夜の米株市場は、主要指標のNYダウが前営業日比0.7%安と7日ぶり、ハイテク株比率の大きいナスダック指数が0.4%安と4日ぶりにそれぞれ反落した。インフレ高進の懸念が再燃。WTI原油先物は一時、約2カ月半ぶりの高値水準を付け、米10年債利回りも急上昇している。原油相場に関しては、欧州連合(EU)がロシア産原油の禁輸で合意し、需給がタイトになるとの見方が広がった。また、ウォラー米連邦準備理事会(FRB)理事は30日、インフレが鈍化に向かわなければ、より大幅な利上げを早急に実施する必要があると発言。利上げペースが秋口に鈍化する――との期待も後退した。
 一方、中国国内の環境は良好。中でも、中国最大の経済都市、上海市で6月1日、事実上のロックダウン(都市封鎖)が解除されたことはポジティブ材料だ。経済活動の正常化で、過度な景気懸念も薄れている。そのうえで、中国当局が強力な景気テコ入れ策を打ち出していることもプラスだ。国務院(内閣に相当)は5月31日、先ごろの常務会議で決定した景気対策33項目の詳細を発表。国営メディアの新華社が23日に概要を報じていたが、改めてその具体的な内容が明らかになった格好だ。
 こうした中、本日の香港・本土マーケットは全体として上値の重い展開か。インフレ懸念がくすぶっているほか、売り圧力も意識されそうだ(前日はハンセン指数が3日続伸で1カ月半ぶり高値、上海総合指数が5日続伸で1カ月半ぶり高値)。ただ、中国の経済活動再開や景気刺激策の期待感は根強く、政策の恩恵を受けやすい銘柄などを物色する動きはみられよう。
 なお本日の取引時間中(日本時間10時45分ごろ)に、民間集計の財新・中国製造業PMIが発表される。市場予想では前回の46.0→49.0に上向く見込みだ。


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