◆21日の香港マーケットは、海外株高を手がかりにしっかりとした展開か。(亜州リサーチ編集部)
外部環境は安定的。昨夜の米株市場は、「ジューンティーンス」の振替休日で休場だったが、場が開いていた欧州市場は主要株価指数が軒並み上昇した（独DAXは1.1％高、英FTSE100は1.5％高など）。市場関係者からは、「このところの急ピッチな下げで、バリュエーション面での妙味が高まった」との声が聞かれている。米景気の過度な減速懸念もやや後退。米セントルイス連銀のブラード総裁は20日、「利上げしても年内は米経済の成長が続く」と述べている。また、バイデン米大統領は同日、「米国のリセッション（景気後退）は不可避ではない」と改めて強調した。日本時間21日朝方、NYダウ先物は高く推移している。
　中国国内の環境も良好だ。経済対策に対する期待感が持続している。政府系証券紙の上海証券報は20日、「原材料コスト上昇で打撃を受けている川下の製造業に対し、政府は大規模な支援策を打ち出すもよう」と出所を明らかにせず報じた。このところ政府関係部局は、強力な景気テコ入れ策を相次ぎ導入している。また、中国本土で新型コロナウイルス感染の状況が落ち着いていることも好材料だ。
　こうした中、本日の香港・本土マーケットは全体としてしっかりとした展開か。中国経済対策の期待感に加え、海外市場の株高が投資家心理を上向かせそうだ。また、バイデン米大統領が近く、習近平・国家主席とオンラインで会談する意向を示したことも改めて材料視されよう。


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