/ 詳細
検索 (期間指定)
期間
亜州リサーチFacebook公式ページ 亜州リサーチYoutube公式チャンネル

2022/04/01 09:05

上値の重い展開か、内外に不安材料 無料記事

◆4月1日の香港マーケットは、内外の不安材料で上値の重い展開か。(亜州リサーチ編集部)
 外部環境はややネガティブ。昨夜の米株市場では、主要指標のNYダウが前日比1.6%安、ハイテク株比率の大きいナスダック指数が1.5%安とそろって続落した。ウクライナ情勢の不透明感や中国の景気減速懸念が投資家心理を冷やしている。ロシアとウクライナは4月1日にオンラインで停戦交渉を再開する見通しだが、プーチン露大統領は停戦や首脳会談について「機が熟していない」と述べていたことが分かった。ロシアの軍事行動は依然として激しく、戦争状態の長期化も懸念されている。中国では、今年3月の製造業PMI(中国国家統計局などが集計)が49.5となり、市場予想(49.8)や前月実績(50.2)に届かなかった。景況判断の分かれ目となる50を5カ月ぶりに割り込んでいる。
 ADR上場する中国企業株も急落。米証券取引委員会(SEC)のゲンスラー委員長は、会計監査を巡る米中合意が近いとする観測を打ち消している。
 中国国内の環境も不安定。前記したように、景況感指数の悪化で中国景気の先行き不安が高まる状況だ。また上海市では、きょう4月1日より、東部に続き西部で事実上のロックダウン(都市封鎖)が実施される。エコノミストからは、中国経済成長率の見通し引き下げが相次いだ。ただ、経済対策の期待感は持続している。中国人民銀行(中央銀行)は先ごろ、金融政策の規模を拡大するなど一段の経済支援をしていく方針を表明。足もとでは、リバースレポを通じ、連日で厚めの資金を市中に供給している。
 こうした中、本日の香港・本土マーケットは全体として上値の重い展開か。上述したように、ウクライナ情勢の不透明感や中国の景気減速懸念が逆風だ。ただ、当局が景気テコ入れスタンスを強めるとの思惑も根強く、下値拾いの動きは期待できよう。
 なお本日の取引時間中(日本時間10時45分ごろ)に、民間集計の財新・中国製造業PMIが発表される。市場予想では前回の50.4→49.9に低下する見込みだ。



内容についてのお問い合わせは<info@ashuir.com>まで。

関連ニュース同じカテゴリーのニュース