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2022/08/03 08:56

上値の重い展開か、米中間の緊張を警戒 無料記事

◆3日の香港マーケットは、米中間の緊張を警戒し上値の重い展開か。(亜州リサーチ編集部)
 外部環境はややネガティブ。2日の米株市場は、主要指標のNYダウが前日比1.2%安、ハイテク株比率の大きいナスダック指数が0.2%安とそろって続落した。台湾を巡る地政学リスクが浮上したことや、米利上げ減速観測の後退が投資家心理の重しとなっている。対中強硬派として知られるペロシ米下院議長は2日に台湾を訪問し、米中間に緊張が走った。台湾を自国領と見なす中国は猛反発し、中国外交部は2日夜遅く(中国時間)、駐中米国大使を呼び出し、厳重に抗議している。
 また、米金融当局者からタカ派(引き締めに積極的)発言が相次ぐ。サンフランシスコ地区連銀のデイリー総裁やシカゴ地区連銀のエバンス総裁らがそれぞれ、インフレに歯止めをかけるため利上げを継続することで関係者の意見は一致していると述べた。低下基調にあった米10年債利回りは、一転、急上昇している。
 内部環境も不透明。上述したように、米中関係の対立激化が不安視される。中国軍はペロシ議長の訪台を受け、台湾海峡で軍事演習を開始。米国との軋轢が高まれば、対中圧力の強化や貿易の停滞につながる恐れもある。
 こうした中、本日の香港・本土マーケットは全体として上値の重い展開か。米政権ナンバー3のペロシ氏は本日、蔡英文・台湾総統と面会する予定――との情報も流れているだけに、動向が注視される。投資家のリスク回避スタンスが続きそうだ。ただ、指数は直近の下げが大きいこともあり(昨日は上海総合指数が2.3%安で2カ月ぶり安値、ハンセン指数が2.4%安で2カ月半ぶり安値)、値ごろ感に着目した買いが入ることには期待したい。


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