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2020/02/07 09:00

米株高値更新を好感し買い先行か、中国貿易統計は波乱要因にも 無料記事

◆7日の香港マーケットは、米株高を支えに買い先行しそうだが、中国貿易統計が波乱要因になる恐れもありそうだ。
 外部環境は良好。昨夜の米株市場では、主要指標のNYダウが前日比0.3%高、ハイテク株比率の大きいナスダック指数が0.7%高とそろって4日続伸した。NYダウは3週ぶりに史上最高値を更新。ナスダック指数は最高値を連日で切り上げた。米中通商問題の楽観と米雇用指標の改善が相場を押し上げる。中国財政部は6日、「対米追加関税の一部を引き下げる」と発表した。米国と中国は先月、通商協議「第1段階の合意」に調印。それに沿う形となり、合意が履行されているとの見方が買い安心感につながった。米雇用情勢を巡っては、米新規失業保険件数(週間)が先週から減少し、2019年4月中旬以来の低水準となっている。前日に民間発表の雇用データが予想を大幅に上回ったこともあり、米労働市場の活況が確認できた格好だ。
 一方、6日の本土株市場では、主要指標の上海総合指数が1.7%高と3日続伸。中国の「肺炎対策」が投資家の不安心理を和らげさせている。国務院が5日に開いた常務会議では、医療用マスクや防護服、主要な医薬品など感染予防物資の供給確保に向けて、金融や税制で関連企業を支援することが決定された。また、取引時間中に、中国財政部が対米追加関税の一部引き下げを発表したこともポジティブ材料視されている。指数は中盤から上げ幅を拡大した。
 中国指標に関しては、本日中に今年1月の貿易統計が公表される。事前予想では、人民元ベースの輸入が前年同月比9.8%減(前月は17.7%増)、輸出が同5.4%減(同9.0%増)で着地するとの見込みだ。
 こうしたなか、本日の香港・本土マーケットは買いが先行する流れか。米株の最高値更新が好感されそうだ。「肺炎対策」が進んでいることも投資家のリスク回避スタンスを後退させよう。ただ、中国の貿易統計には注意したい。予想以上に悪化した場合、売り材料として意識される恐れもありそうだ。


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