◆16日の香港マーケットは、米金融政策の不透明感払しょくでしっかりとした展開か。(亜州リサーチ編集部)
　外部環境は安定的。昨夜の米株市場では、主要指標のNYダウが前日比1.0％高と6日ぶりに反発し、ハイテク株比率の大きいナスダック指数が2.5％高と大幅に続伸している。米連邦準備理事会（FRB）が大幅利上げに踏み切る中、インフレ抑制の効果が期待された。FRBは15日まで開いていた米連邦公開市場委員会（FOMC）で、予想通り通常の3倍にあたる0.75％の利上げを決定。「歴史的なインフレ加速が落ち着く」と歓迎され、投資家に買い安心感が広がった。米金利高の一服もプラス。先月後半から上昇基調を強めていた米10年債利回りは、前日の3.47％台から3.28％台に急低下した。
　中国国内の環境も良好。経済統計の内容を受け、景気持ち直しの期待が高まっている。5月の中国経済統計では、小売売上高の減少率が大幅に縮小し、鉱工業生産が予想外のプラス成長に転じた。足もとでは政府関係部局が雇用やインフラ投資、産業支援、消費振興などに向けた対策を相次ぎ発表しているほか、プラットフォーム企業や不動産デベロッパーなどに向けた産業統制もやや緩和している。
　こうした中、本日の香港・本土マーケットは全体としてしっかりとした展開か。国内の新型コロナウイルス感染再拡大など不安材料はあるものの、上述したように、米金融政策の不透明感払しょくが投資家心理を上向かせそうだ。中国経済対策で恩恵を受けやすい銘柄群などに、改めて押し目を拾う動きもみられよう。


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