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2020/01/08 09:00

売り先行か、中東地域の地政学リスクを意識 無料記事

◆8日の香港マーケットは、中東情勢に緊迫化を警戒して売られる展開か。
 外部環境は不透明。昨夜の米株市場では、主要指標のNYダウが前日比0.42%安、ハイテク株比率の大きいナスダック指数が0.03%安とそろって反落した。中東地域の地政学リスクが改めて意識されている。米軍による空爆で、イラン精鋭部隊の司令官が殺害されたことに端を発し、イラン最高安全保障委員会のシャムハニ事務局長は7日、米国に対して「13の報復シナリオ」を用意していると警告した。トランプ米大統領は、イランが報復すれば同国の文化財を含む52カ所を攻撃すると繰り返し述べている。ただ、「戦争に発展する可能性は低い」とする見方もあり、指数はプラス圏で推移する場面もあった。また、米サプライマネジメント協会(ISM)が発表した2019年12月の非製造業景況感指数(PMI)が市場予想を上回り、4カ月ぶりの高水準に達したこともプラス材料となっている。
 一方、7日の本土株市場では、主要指標の上海総合指数が0.69%高と3日ぶりに反発。長期安定資金の流入期待が高まった。本土メディアは7日、「当局は医療保険や年金保険などの市場拡大に注力する方針」と報道。運用資産のうち、株式や債券に対する投資上限が引き上げられる可能性があるとの観測が一部で流れている。また、金融緩和に対する期待感も根強い。市場関係者の間では、向こう3カ月内に預金準備率が再度引き下げられるとの予測が優勢となっている。
 こうしたなか、本日の香港・本土マーケットは売りが先行する流れとなりそうだ。中東地域の地政学リスクが改めて強まっている。現地国営テレビは日本時間朝方、イランが米軍の駐留しているイラク基地に攻撃を開始したと伝えた。これを受け、時間外取引の先物市場では、原油や金が急伸。為替市場では安全資産とされる円が大幅高で推移している。中国の金融緩和期待は支えになりそうだが、目先は中東情勢を見極めながらの動きとなろう。


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