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2022/07/29 08:57

神経質な値動きか、好悪材料が入り混じる 無料記事

◆29日の香港マーケットは、好悪材料が入り混じる中で神経質な値動きか。(亜州リサーチ編集部)
外部環境は安定的。28日の米株市場は、主要指標のNYダウが前日比1.0%高、ハイテク株比率の大きいナスダック指数が1.1%高とそろって続伸した。景気悪化で利上げ加速懸念が後退。米商務省が28日公表した今年4〜6月期の実質GDP(国内総生産)速報値は年率換算で0.9%減となり、2四半期連続でマイナス成長を強いられた。これ以上の景気悪化を回避するため、米金融当局は利上げペースを緩めるとの見方が強まっている。米10年債利回りも急低下した。
 他方、米国の対中圧力は気がかり。米上院は27日、半導体産業に補助金を交付する法案を可決したが、中国への半導体投資を制限する条件が付けられた。なお、米中首脳は昨夜、およそ2時間20分にわたり電話会談を実施。ロシアのウクライナ侵攻や台湾海峡の安定などを協議したが、対中関税の一部撤廃は議題に上がらなかったとみられる。
 一方、中国国内では未完成住宅ローン問題の懸念がくすぶる状況。資金不足などにより工事が中断した未完成住宅「爛尾楼(ランウェイロウ)」を巡り、中国各地で物件購入者による集団ローン返済拒否が発生している。未完成住宅の工事再開を促すため、中国政府は銀行に1兆人民元(約20兆円)規模の融資を促す方針――などと伝わったことは好感されるものの、不安は完全には払しょくされていない。
 なお、中国本土では週末31日(日本時間10時ごろ)、7月の製造業PMI(国家統計局などが集計)が公表される予定。直前の市場コンセンサス予想は、前回の50.2をやや上回る50.3で着地する見込みだ(非製造業PMIは54.7→53.8)。
 こうした中、本日の香港・本土マーケットは全体として神経質な値動きか。米金利低下はプラス材料となるものの、中国の住宅ローン問題が不安材料だ。中国指標の発表を前に、積極的な売買が手控えられる可能性もあろう。


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