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2020/08/07 12:07

方向感を欠く展開か、中国貿易統計を見極めに 無料記事

◆7日の香港マーケットは、中国経済指標を気にしながら方向感を欠く展開か。(亜州リサーチ編集部)
 外部環境は安定的。昨夜の米株市場は、主要指標のNYダウが前日比0.7%高と5日続伸し、ハイテク株比率の大きいナスダック指数が1.0%高と7日続伸した。ナスダック指数は史上最高値を連日で更新している。米雇用情勢の持ち直し基調を受け、経済回復の期待が高まった。米労働省が6日発表した新規失業保険申請件数(週間)は、予想(140万件)を下回る119万件。新型コロナウイルス感染のパンデミック(世界的流行)が始まった4月以降で、最低の水準となっている。企業決算の好調もプラス。好決算と株式分割を先週発表したアップルに買いが継続し、同社株は上場来高値を更新した。ハイテク株全体をけん引している。
 一方、5日の本土株市場では、主要指標の上海総合指数が0.3%高と小幅ながら5日続伸。約3週ぶりの高値水準を切り上げている。中国の政策に対する期待感が相場を支えた。当局による金融政策の柔軟化方針や、内需振興策の思惑が投資家心理を上向かせている。米中対立激化の警戒感で売られる場面がみられたものの、下値は堅く、終盤に入り指数は再びプラス圏に浮上した。
 米中関係を巡っては、ポンペオ米国務長官は5日の記者会見で、中国共産党政権の影響を受けない安全な通信網の構築を目指す「クリーンネットワーク」政策の対象を拡大すると宣言。同盟国にも呼び掛けるなど、中国排除の姿勢をより鮮明化した。
 中国では来週にかけて7月の重要経済指標が相次いで公表される予定(7日に貿易統計、10日に貿易統計、14日に小売売上高や鉱工業生産、15日までに金融統計など)。7日に発表される貿易統計に関しては、輸出入がそれぞれ前月から縮小すると予想されている。なかでも輸出は、マイナスに落ち込むとの見方がコンセンサスだ。
 こうしたなか、本日の香港・本土マーケットは全体として方向感を欠く展開か。中国貿易統計の結果が気がかり材料だ。また、米中対立激化の警戒感が依然としてくすぶっていることもマイナス材料となろう。




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