◆22日の香港マーケットは、外部環境の不透明感で上値の重い展開か。(亜州リサーチ編集部)
　外部環境はややネガティブ。昨夜の米株市場では、主要指標のNYダウが前営業日比0.6％安と6日ぶり、ハイテク株比率の大きいナスダック指数が0.4％安と5日ぶりにそれぞれ反落した。米国の金融引き締め加速が警戒されている。パウエル米連邦準備理事会（FRB）議長は21日、インフレ抑制に必要な政策をとるとし、大幅利上げに踏み切る可能性を示唆した。ウクライナとロシアの紛争が長期化するとの不安も広がる。ロシアは石油やガス、希少金属、穀物などの主要輸出国なだけに、西側諸国の対露制裁により、商品相場が混乱すると危ぐされた。NY市場では、WTI原油先物が7.1％高と大幅に3日続伸し、シカゴ市場では、小麦が値幅制限いっぱいまで上昇した。
　一方、内部的には、経済対策の期待感が根強い。李克強・首相が主宰した21日の国務院（内閣に相当）常務会議では、景気下支えのため、金融支援を強化する方針が改めて示された。中小企業向けの税還付もあわせて発表されている。また、中国人民銀行（中央銀行）は先週、主導的な金融政策を実施し、新規融資の適度な増加を促す方針を明らかにした。そのほか、経済活動正常化の期待も強まる。深セン市では21日、新型コロナウイルス感染再拡大によるロックダウンが解除された。上海市など複数の都市では、依然として感染再拡大に歯止めがかかっていないものの、徐々に落ち着くとみられている。
　こうした中、本日の香港・本土マーケットは全体として上値の重い展開か。中国経済対策の期待感は根強いものの、上述のように外部環境の不透明感が投資家心理を冷やしそうだ。また、中国で発生した大規模な飛行機事故も不安材料として意識される恐れもある。乗客・乗員133人を乗せた中国東方航空（670/HK）のボーイング旅客機は21日午後、広西チワン族自治区梧州市の山中に墜落した。



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