2022/10/28 08:52
米ハイテク株安嫌気で上値の重い展開か、中国企業決算も注視
◆28日の香港マーケットは、米ハイテク株安を嫌気し上値の重い展開か。(亜州リサーチ編集部)
外部環境はやや不透明。27日の米株市場は、好悪材料が入り混じる中、全体として方向感を欠いた。主要指標のNYダウが前日比0.6%高と5日続伸する半面、ハイテク株比率の大きいナスダック指数は1.6%安と続落している。米景気の持ち直しは好材料。米商務省が27日発表した7〜9月期の実質GDP(国内総生産)速報値は、市場予想(2.4%増)を上回る前期比2.6%増だった。プラス成長を回復したのは3四半期ぶりとなる。また、米連邦準備理事会(FRB)がインフレ動向の目安とするコア個人消費支出(PCE)価格指数の上昇も落ち着いたことで、金融引き締めペースの鈍化も期待された。他方、ハイテク大手の決算失望はマイナス。アルファベット(グーグル)やマイクロソフトに続き、フェイスブック(FB)を運営するメタが報告した四半期決算もさえない内容となっている。最終利益は前年同期比で52%減少。同社株は24.6%安と急落している。そのほか、アマゾンが引け後に公表した四半期決算は、売上高が15%増にとどまり、予想を下回った。10〜12月期の売上高見通しも下振れし、同社株は時間外取引で急落している。
一方、中国国内の環境は悪くない。経済対策の期待感が高まっている。国営テレビが27日伝えたところによれば、国務院(内閣に相当)は消費回復で経済を支える方針を表明した。それより先、中国人民銀行(中央銀行)などは25日、マクロ経済を安定させるべきとする声明を発表し、株式・債券、不動産市場の健全な発展を維持する方針を示している。
こうした中、本日の香港・本土マーケットは全体として上値の重い展開か。中国経済対策の期待感は支えとなりそうだが、米ハイテク株安が相場の足かせとなろう。また、中国主要工業企業の1〜9月利益2.3%減となり、縮小傾向が続いていることも懸念材料だ。
なお、香港では主要な中国企業の決算報告が終盤に入っている。本日は、馬鞍山鋼鉄(323/HK)や鞍鋼(347/HK)、中国石油化工(386/HK)、中国中鉄(390/HK)、中国東方航空(670/HK)、中国国際航空(753/HK)、中国建設銀行(939/HK)、中国南方航空(1055/HK)、華電国際電力(1071/HK)、東方電気(1072/HK)、中国神華能源(1088/HK)、エン鉱能源集団(1171/HK)、中国鉄建(1186/HK)、比亜迪(1211/HK)、中国農業銀行(1288/HK)、中国工商銀行(1398/HK)、江西カン鋒リ業(1772/HK)、中国交通建設(1800/HK)、万科企業(2202/HK)、中銀香港(2388/HK)、上海電気集団(2727/HK)、交通銀行(3328/HK)、招商銀行(3968/HK)、中国銀行(3988/HK)、中信証券(6030/HK)、海通証券(6837/HK)などが第3四半期決算を公表する予定だ。
内容についてのお問い合わせは<info@ashuir.com>まで。
外部環境はやや不透明。27日の米株市場は、好悪材料が入り混じる中、全体として方向感を欠いた。主要指標のNYダウが前日比0.6%高と5日続伸する半面、ハイテク株比率の大きいナスダック指数は1.6%安と続落している。米景気の持ち直しは好材料。米商務省が27日発表した7〜9月期の実質GDP(国内総生産)速報値は、市場予想(2.4%増)を上回る前期比2.6%増だった。プラス成長を回復したのは3四半期ぶりとなる。また、米連邦準備理事会(FRB)がインフレ動向の目安とするコア個人消費支出(PCE)価格指数の上昇も落ち着いたことで、金融引き締めペースの鈍化も期待された。他方、ハイテク大手の決算失望はマイナス。アルファベット(グーグル)やマイクロソフトに続き、フェイスブック(FB)を運営するメタが報告した四半期決算もさえない内容となっている。最終利益は前年同期比で52%減少。同社株は24.6%安と急落している。そのほか、アマゾンが引け後に公表した四半期決算は、売上高が15%増にとどまり、予想を下回った。10〜12月期の売上高見通しも下振れし、同社株は時間外取引で急落している。
一方、中国国内の環境は悪くない。経済対策の期待感が高まっている。国営テレビが27日伝えたところによれば、国務院(内閣に相当)は消費回復で経済を支える方針を表明した。それより先、中国人民銀行(中央銀行)などは25日、マクロ経済を安定させるべきとする声明を発表し、株式・債券、不動産市場の健全な発展を維持する方針を示している。
こうした中、本日の香港・本土マーケットは全体として上値の重い展開か。中国経済対策の期待感は支えとなりそうだが、米ハイテク株安が相場の足かせとなろう。また、中国主要工業企業の1〜9月利益2.3%減となり、縮小傾向が続いていることも懸念材料だ。
なお、香港では主要な中国企業の決算報告が終盤に入っている。本日は、馬鞍山鋼鉄(323/HK)や鞍鋼(347/HK)、中国石油化工(386/HK)、中国中鉄(390/HK)、中国東方航空(670/HK)、中国国際航空(753/HK)、中国建設銀行(939/HK)、中国南方航空(1055/HK)、華電国際電力(1071/HK)、東方電気(1072/HK)、中国神華能源(1088/HK)、エン鉱能源集団(1171/HK)、中国鉄建(1186/HK)、比亜迪(1211/HK)、中国農業銀行(1288/HK)、中国工商銀行(1398/HK)、江西カン鋒リ業(1772/HK)、中国交通建設(1800/HK)、万科企業(2202/HK)、中銀香港(2388/HK)、上海電気集団(2727/HK)、交通銀行(3328/HK)、招商銀行(3968/HK)、中国銀行(3988/HK)、中信証券(6030/HK)、海通証券(6837/HK)などが第3四半期決算を公表する予定だ。
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