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2022/07/12 08:56

売り先行か、世界経済の悪化を警戒 無料記事

◆12日の香港マーケットは、世界景気の悪化懸念で売り先行する流れか。(亜州リサーチ編集部)
外部環境はネガティブ。週明け11日の米株市場は、主要指標のNYダウが前営業日比0.5%安と続落し、ハイテク株比率の大きいナスダック指数が2.3%安と6日ぶりに反落した。中国が新型コロナウイルス感染の防疫措置を強化する中、世界景気の先行きも不安視されている。経済協力開発機構(OECD)が11日、6月の景気先行指数を発表し、世界経済の見通しが前回から悪化したこともマイナスだ。また、今週スタートする主要企業の第2四半期決算報告を前に、企業業績の悪化が警戒されたことも買い手控え要因となっている。
 内部環境も不透明。新型コロナは各地で再拡大し、行動制限などの防疫措置が再び強化されている。中国最大規模の経済都市、上海市の保健当局は10日、これまでになく感染力の強いオミクロン派生型「BA.5」の感染例が8日に市内で初確認されたと報告。「BA.5」感染例は、北京市や陝西省西安市でも確認された。また、感染者が増加しているマカオでは11日から1週間、カジノを含む商業・工業施設が閉鎖されている。
 なお、中国では今週、重要経済統計の発表が相次ぐ予定(13日に6月の貿易統計、15日に同月の小売売上高や鉱工業生産、第2四半期のGDP成長率など)。あすの貿易統計については、輸出と輸入の伸び率が人民元ベースで前回から上向く見込みだ。また、昨日引け後に公表された6月の金融統計では、人民元建て融資が予想以上に伸びている。
 こうした中、本日の香港・本土マーケットは全体として苦戦を強いられそうだ。中国指標の改善はプラス材料となるものの、上述したように、世界景気の悪化懸念が投資家心理を冷やしそうだ。中国のコロナ防疫措置が引き続き、売り材料として意識されよう。また、中国経済指標の発表が集中することも、様子見ムードにつながりそうだ。


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