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2022/07/11 09:03

神経質な値動きか、中国の新型コロナ感染再拡大を懸念 無料記事

◆週明け11日の香港マーケットは、中国の新型コロナウイルス感染再拡大を警戒し神経質な値動きか。(亜州リサーチ編集部)
外部環境に目立った手がかりはない。先週8日の米株市場は、全体として方向感を欠いている。主要指標のNYダウが前日比0.1%安と3日ぶりに反落する半面、ハイテク株比率の大きいナスダック指数は0.1%高と5日続伸した。景気懸念の後退と金融引き締めの警戒感が綱引きとなっている。米労働省が8日公表した今年6月の米雇用統計では、非農業部門の雇用者数が予想を大幅に上回り、失業率も低水準で推移した。市場には「米経済はソフトランディングできる」との見方が広がると同時に、「米金融当局はインフレ抑制のため、7月も大幅利上げに踏み切る」との警戒感も高まっている。
 なお、米中関係を巡っては、ブリンケン米国務長官が9日、インドネシア・バリ島で開催された20カ国・地域(G20)外相会合の後、中国の王毅・外交部長と会談。協議は5時間と異例の長さに及んだ。両国の声明によれば、建設的な議論が行われたという。また、今後数週間のうちに、米中首脳協議が実施されるとの見通しも明らかにされた。
 一方、中国国内の環境には不透明感がくすぶる。新型コロナウイルス感染の再拡大がネガティブだ。上海市の保健当局は10日、これまでになく感染力の強いオミクロン派生型「BA.5」の感染例が8日に初めて市内で確認されたと報告。「BA.5」感染例はすでに、西安市でも確認されている。行動制限も各地で強化される状況だ。そのほか、マカオ政府は9日、11日から1週間、カジノを含む商業・工業施設を閉鎖すると発表している。
 また、中国では今週、重要経済統計の発表が相次ぐ予定(13日に6月の貿易統計、15日に同月の小売売上高や鉱工業生産、第2四半期のGDP成長率など)。それに先立ち、9日に公表された6月の物価統計は、消費者物価指数(CPI)の上昇率が予想以上に加速している。生産者物価指数(PPI)の上昇率は前月実績から鈍化したものの、市場予想は上回った。
 こうした中、本日の香港・本土マーケットは全体として神経質な値動きか。米中関係改善や中国経済対策の期待感はあるものの、上述したように、コロナ感染拡大や経済指標発表が不安材料として意識されそうだ。



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