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2022/03/30 09:06

買い先行か、外部環境が改善 無料記事

◆30日の香港マーケットは、外部環境の改善で買われる展開か。(亜州リサーチ編集部)
 外部環境はポジティブ。昨夜の米株市場では、主要指標のNYダウが前日比1.0%高と4日続伸し、ハイテク株比率の大きいナスダック指数も1.8%高と続伸した。ウクライナ情勢を巡る過度な緊張が後退し、投資家のリスク選好が高まっている。ロシアのウクライナの交渉団は29日、トルコ(イスタンブール)で対面の停戦交渉を行い、双方の関係者によれば一定の進展があった。ウクライナは条件が整えば、ロシアが要求する「中立化」に応じると表明し、ロシアは首都キエフなどでの軍事作戦を大幅に縮小すると述べている。ロシア産原油の禁輸措置が和らぐとの見方が広がり、原油相場が続落。資源高を背景としたインフレ懸念もやや薄らいだ。米10年債利回りも低下し、ハイテクなど高PER(株価収益率)のグロース(成長)株が大幅上昇している。米株市場の不安心理を表すVIX(20を超えると不安心理が高まった状態とされる通称「恐怖指数」)は18.90となり、前日比で3.72%下落。前日に続き節目の20を下回り、今年1月中旬以来の低い水準に落ち着いた。
 一方、内部的には好悪材料が入り混じる。まず、中国本土で新型コロナウイルス感染再拡大に歯止めがかからないことはマイナスだ。上海市は事実上のロックダウン(都市封鎖)に突入し、供給網が混乱。景気下押し要因になると不安視されている。半面、経済対策の期待感が強まっていることはプラス。中国人民銀行(中央銀行)は4〜6月期の流動性を確保するため、近く預金準備率を引き下げる可能性がある――などと29日までに証券専門紙が報じた。それより先に人民銀は、主導的な金融政策を実施し、新規融資の適度な増加を促す方針を明らかにしている。
 なお、香港では主要企業の決算報告が佳境に入った。本日は、中国工商銀行(1398/HK)や中国農業銀行(1288/HK)、招商局港口HD(144/HK)、鞍鋼(347/HK)、中国中鉄(390/HK)、中国東方航空(670/HK)、中国国際航空(753/HK)、中国南方航空(1055/HK)、中国海洋石油(883/HK)、龍源電力集団(916/HK)、中芯国際集成電路製造(981/HK)、華潤置地(1109/HK)、エン鉱能源集団(1171/HK)、中国鉄建(1186/HK)、中遠海運港口(1199/HK)、江西カン鋒リ業(1772/HK)、広発証券(1776/HK)、中国交通建設(1800/HK)、中遠海運HD(1919/HK)、碧桂園HD(2007/HK)、万科企業(2202/HK)、広州汽車集団(2238/HK)、申洲国際集団HD(2313/HK)、中国蒙牛乳業(2319/HK)などが通期決算を発表する。
 こうした中、本日の香港・本土マーケットは買い先行しそうだ。上述したように、ウクライナとロシアの停戦交渉進展が買い安心感につながろう。また、業績動向を手がかりにした物色も引き続き活発化しそうだ。前日引け後に発表された決算では、快手科技(クアイショウ・テクノロジー:1024/HK)が赤字縮小、東風汽車集団(489/HK)が6%増益で復配見通し、華虹半導体(ファホンセミコンダクター:1347/HK)が163%増益、陽光能源HD(757/HK)が黒字転換、第一トラクター(ファースト・トラクター:38/HK)が56%増益で増配見通しなどとなっている。


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