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2022/09/22 09:00

下値を試す展開か、内外の景気不安が逆風 無料記事

◆22日の香港マーケットは、世界経済の先行き不安で苦戦を強いられる展開か。(亜州リサーチ編集部)
 外部環境はネガティブ。昨夜の米株市場では、米利上げ加速が景気を下押すと不安視され、主要指標のNYダウが前日比1.7%安、ハイテク株比率の大きいナスダック指数が1.8%安とそろって続落した(ナスダック指数は2カ月半ぶりの安値)。米連邦準備理事会(FRB)は21日(日本時間22日未明)の米連邦公開市場委員会(FOMC)で、予想通り3会合連続で通常の3倍にあたる0.75%利上げを決定。同時に公表されたFOMCメンバーの政策金利予想分布(ドットチャート)は、22年末の政策金利予想が前回(6月)の3.4%→4.4%、23年末が同3.8%→4.6%に上昇した。会合後のパウエルFRB議長会見は特に新味はなかったが、景気が鈍化することになっても、インフレ退治のため金融引き締めを続けるとの考えを改めて強調。積極利上げが継続すると警戒された。景気敏感株や消費関連株などが売られている。そのほか、中国企業のADR(米国預託証券)で構成されるナスダック・ゴールデン・ドラゴン中国指数(HXC)は5.9%安と急落した。
 一方、内部的には人民元安の進行がマイナス材料。外国為替市場で対米ドルのオフショア人民元は、節目の7.07人民元台に達し、2020年6月上旬以来の元安水準で推移している。資金流出の不安が高まる状況だ。また、中国景気の先行き不安も一段と強まる。アジア開発銀行(ADB)は21日発表した最新の「アジア経済見通し」で、中国の2022年国内総生産(GDP)成長率予想を4月予測時の5.0%から今回の3.3%に下方修正した。下方修正されたアジア新興国全体(46カ国)の成長率(5.2→4.3%)もアンダーパフォーム。ADBによると、中国の成長予想がアジアのその他新興国を下回る事例は過去30年余りで初めてだ。
 こうした中、本日の香港・本土マーケットは下値を試す動きとなろう。中国の経済活動正常化や景気テコ入れ策に対する期待感は持続しているものの、内外の景気不安が投資家心理を冷やしそうだ。なお、米利上げを受け、通貨を米ドルにペッグしている香港でも基準金利(政策金利)が引き上げられた。市中銀行の金利動向も気がかりだ。




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