/ 詳細
検索 (期間指定)
期間
亜州リサーチFacebook公式ページ 亜州リサーチYoutube公式チャンネル

2020/08/11 09:14

方向感を欠く展開か、好悪材料が入り混じる 無料記事

◆11日の香港マーケットは、好悪材料が入り混じる中で方向感を欠く展開か。(亜州リサーチ編集部)
 外部環境は良好。昨夜の米株市場は、主要指標のNYダウが前営業日比1.3%高と7日続伸し、約5カ月半ぶりの安値水準を回復した。ハイテク株比率の大きいナスダック指数は0.4%安と続落したものの、下値を叩くような売りはみられない。米国の政策に対する期待が強まるなか、景気敏感株が物色された。トランプ米大統領は8日、失業給付金の上乗せなど追加の経済対策を実施する大統領令を発動。また、追加の経済対策を巡り難航している与野党協議について、ムニューシン米財務長官は10日、「今週中にも合意できる」との見方を示している。景気後退の懸念がやや薄らいだ。
 他方、米中の対立は続く。米財務省は7日、香港の自治を侵害し、表現の自由を制限したとして、林鄭月娥(キャリー・ラム)行政長官ら関係者11人を制裁対象に指定した。中国外交部の報道官は10日、対抗措置として、米上院議員ら11人を対象に制裁を科すと発表している。
 一方、10日の本土株市場では、主要指標の上海総合指数が0.8%高と反発。中国の政策に対する期待感が相場を支えた。中国人民銀行(中央銀行)の易綱総裁は9日、国営メディア新華社のインタビューで、金融政策をより柔軟化することを改めて強調している。デフレ懸念も後退。10日公表された7月の中国物価統計では、消費者物価指数(CPI)が予想以上に前月から伸びた。消費活動の回復が進んでいる。また、生産者物価指数(PPI)はマイナスだったものの、下落幅は予想よりも縮小した。
 こうしたなか、本日の香港・本土マーケットは全体として方向感を欠く展開か。米国や中国が景気対策を強めていることはプラス材料となるが、米中対立の悪化は不透明要因として意識される状況だ。また、香港では社会混乱の不安もくすぶる。先月施行された「香港国家安全維持法」(国安法)に違反したとして、香港警察は10日、メディア界の大物で民主派寄りの黎智英氏と「雨傘運動」で学生リーダーだった周庭氏など民主活動家を相次いで逮捕した。


内容についてのお問い合わせは<info@ashuir.com>まで。

関連ニュース同じカテゴリーのニュース