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2020/07/15 09:11

上値の重い展開か、米中関係の緊張を警戒 無料記事

◆15日の香港マーケットは、米中関係の悪化懸念で上値の重い展開か(亜州リサーチ編集部)
 外部環境は良好。昨夜の米株市場では、主要指標のNYダウが前日比2.1%高と3日続伸し、ハイテク株比率の大きいナスダック指数が0.9%高と反発した。新型コロナウイルス感染再拡大による経済活動の鈍化を嫌気した売りが先行したものの、当局は景気刺激策を長期にわたり継続するとの見方が広がり、ほどなくプラスに転じた。米連邦準備制度理事会(FRB)のブレイナード理事は、「FRBは長期的な緩和策を提示するべきだ」と述べている。新型コロナワクチンの開発に進展があったこともプラス。米バイオ製薬ベンチャーのモデルナは14日、開発中のワクチンについて、今月27日ごろに後期治験を開始する方針を示した。また、モデルナはマーケット引け後、世界で最も権威のある医学誌「ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン(NEJM)」で初期臨床試験の詳細データを公表し、被験者全体が抗体を獲得したことを明らかにしている。ワクチンの有効性が確認されたとの見方が広がり、同社株は時間外取引で急伸。日本時間15日朝方のNYダウ先物も大幅続伸で推移している。
 他方、米中関係の緊張懸念は続く。トランプ米大統領は14日、「香港国家安全維持法(国安法)」を巡り、関係した中国の当局者や企業、取引関係にある銀行に制裁を科す法案と大統領令に署名した。
 一方、14日の本土株市場では、主要指標の上海総合指数が0.8%安と反落。米中関係の悪化が警戒されている。トランプ米政権は13日、「中国が南シナ海全域の権益を主張することは完全に不法だ」として、領有権を認めない方針を正式に示した。中国政府はこれより先、「『ウイグル人権政策法』を成立させた米国への報復として、関与した複数の米議員などに制裁を科す」と予告している。このほか両国は、新型コロナウイルス、ハイテク、国家安全保障、香港問題など様々な分野で対立を深めている状況だ。
 こうしたなか、本日の香港・本土マーケットは全体として上値の重い展開か。上述したように、米中対立の警戒感が引き続き相場の重しとなりそうだ。また、中国の指標発表も気がかり。あす16日には、6月の各種経済統計(小売売上高や鉱工業生産など)と4〜6月GDP成長率が発表される。


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