◆8日の香港マーケットは、米株高を支えに底堅い展開か。(亜州リサーチ編集部)
　外部環境は安定しつつある。昨夜の米株市場では、主要指標のNYダウが前日比0.3％高、ハイテク株比率の大きいナスダック指数が0.1％高とそろって3日ぶりに反発した。過度な景気懸念が後退。米労働省が7日発表した新規失業保険申請件数（週間）は、予想以上に前週から減少し、1968年以来、54年ぶりの低い水準となった。雇用情勢が一段と改善する中、米経済をけん引する個人消費も拡大すると期待されている。米連邦公開市場委員会（FOMC）議事要旨（3月開催分）により、資産圧縮のペースが速まるとの見方が強まったことを引き続き売り材料に指数は安くスタートしたものの、売り一巡後は買い戻しが優勢となった。
　一方、中国本土では、新型コロナウイルス感染再拡大が引き続き不安材料。上海市では事実上のロックダウン（都市封鎖）が延長され、物流の混乱も危惧されている。ただ、景気下押し圧力が強まる中、当局が経済対策を強めるとの見方も根強い。6日の国務院（内閣に相当）常務会議では、適時な金融支援で経済を支える方針が改めて示されている。市場の一部からは、「早ければ来週にも利下げなど一段の緩和策が発表される」との声も聞かれた。
　こうした中、本日の香港・本土マーケットは全体として底堅い展開か。中国のコロナ感染再拡大は警戒されるものの、昨夜の米株上昇を手がかりに、ひとまず買い戻しが入りそうだ。


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