◆29日の香港マーケットは、米ハイテク株高好感で買い先行しそうだが、メーデー連休を控え様子見ムードも漂いそうだ。(亜州リサーチ編集部)
　外部環境はややポジティブ。昨夜の米株市場では、主要指標のNYダウが前日比1.8％高と続伸し、ハイテク株比率の大きいナスダック指数が3.1％高と3日ぶりに急反発した。ハイテク大手に好決算が相次ぎ、投資家心理が上向いている。マイクロソフトの決算上振れに続き、フェイスブック（FB）を運営するメタの1〜3月期業績は増収減益ながら1株利益が予想を上回った。また、23年3月期決算の増益見通しも明らかにしている。
　一方、内部的には好材料と悪材料が入り混じる状況。新型コロナウイルス感染対策による景気冷え込みの警戒感が根強い中、当局は経済対策を相次ぎ打ち出していることはプラスだ。雇用やインフラ投資、消費振興などに向けた対策を当局は矢継ぎ早に発表している。他方、人民元安の進行はマイナス。外国為替市場では人民元売りが再び活発化し、足もとでは一時、1米ドル＝6.67人民元台を付け、2020年11月以来の元安水準となっている。外電が28日報じたところによれば、外国銀行7行は、中国経済はコロナ感染拡大で打撃を受けているとして、人民元見通しを下方修正した。
　なお香港では、主要な中国企業の決算報告が一巡する。馬鞍山鋼鉄(323/HK)や中国中鉄(390/HK)、中国石油天然気(857/HK)、中国建設銀行(939/HK)、エン鉱能源集団(1171/HK)、中国鉄建(1186/HK)、中遠海運港口(1199/HK)、中国農業銀行(1288/HK)、中国工商銀行(1398/HK)、中遠海運HD(1919/HK)、中国平安保険(2318/HK)、中銀香港(2388/HK)、中国建材(3323/HK)、交通銀行(3328/HK)、中国銀行(3988/HK)などが1〜3月期業績を公表する予定だ。
　ほか、週末30日に中国で4月の景況感指数が公表される（国家統計局などによる製造業PMI、非製造業PMI、財新中国製造業PMI）。また、香港市場は週明け5月2日がメーデーの振替で休場。本土市場はメーデーにより2〜4日が休場となる。
　こうした中、本日の香港・本土マーケットは全体として上値の重い展開か。昨夜の米ハイテク株高や中国経済対策の期待感などで買い先行しそうだが、週末の中国指標発表や連休を控え、様子見ムードが漂う可能性もあろう。


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