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2020/08/12 09:08

売り先行か、米株安が重荷 無料記事

◆12日の香港マーケットは、米株安を嫌気した売りが先行する流れか。(亜州リサーチ編集部)
 外部環境はややネガティブ。昨夜の米株市場は、主要指標のNYダウが前日比0.4%安と8日ぶりに反落し、ハイテク株比率の大きいナスダック指数が1.7%安と3日続落した。景気対策協議の難航を嫌気。新型コロナウイルスの追加経済対策を巡り、与野党が互いに非難を繰り返すなか、与党・共和党のマコネル院内総務は11日、「政府と民主党は話し合いをしていない」ことを明らかにした。ムニューシン米財務長官が10日、「今週中にも合意できる」との見方を示していただけに、投資家の失望を誘っている。コロナワクチンの早期実用化期待などで、NYダウは小高く推移していたものの、終盤に入り失速した。
 なお、クドロー米国家経済会議(NEC)委員長は11日、中国は「第1段階の通商合意」を受けて米国製品の購入を継続しているとし、購入強化の兆しもあると述べた。また、両国関係の悪化が通商問題に波及することもないと明言している。
 一方、11日の本土株市場では、主要指標の上海総合指数が1.2%安と反落。米中の報復合戦が再び熱を帯びるなか、投資家のリスク回避スタンスが強まった。米財務省は7日、香港の自治を侵害し、表現の自由を制限したとして、林鄭月娥(キャリー・ラム)行政長官ら関係者11人を制裁対象に指定。中国外交部の報道官は10日、対抗措置として、米上院議員ら11人を対象に制裁を科すと発表している。
 こうしたなか、本日の香港・本土マーケットは全体として苦戦を強いられる展開か。目先の米景気期待が後退するなかで、米株が売られた流れを継ぎそうだ。中国指標の落ち込みもマイナス。中国人民銀行(中央銀行)が11日に発表した金融統計では、今年7月の国内金融機関の人民元建て新規融資が市場予想以上に前月実績から縮小した。また、米中対立が通商問題に波及する懸念はやや薄らいだものの、両国関係の悪化が依然として警戒されていることも不安要素となろう。
 なお本日は、インターネットサービス中国最大手の騰訊HD(テンセント・ホールディングス:700/HK)が中間業績を報告する予定。結果を見極めたいとするスタンスも買い手控え要因として意識されそうだ。


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