◆27日の香港マーケットは、米株高を好感した買いが先行する流れか。(亜州リサーチ編集部)
　外部環境はポジティブ。昨夜の米株市場は、主要指標のNYダウが前日比1.6％高と5日続伸し、ハイテク株比率の大きいナスダック指数が2.7％高と大幅続伸した。米小売大手の好決算が投資家のリスク選好を強めている。米ディスカウントストアのダラー・ツリーとダラー・ゼネラルがそれぞれ公表した2〜4月期決算は、そろって1株利益が予想を上回った。両社の株価は急伸し、小売株全般が上昇したほか、景気敏感株などにも買いが波及している。
　中国ネット大手の決算が好感され、中国企業ADRも大幅高。中国Eコマース最大手の阿里巴巴集団HD（アリババ・グループ・ホールディング：9988/HK、BABA/NYSE）とインターネット検索中国最大手の百度集団（バイドゥ：9888/HK、BIDU/NASDAQ）がそれぞれ発表した四半期決算は、売上高が市場予想を大幅に上回り、アリババ株が14.8％高、百度株が14.1％高と値上がりした。
　一方、内部的には経済対策の期待感が高まる状況。中国政府はこのところ、雇用やインフラ投資、産業支援、消費振興などに向けた対策を相次ぎ公表している。財政部、民用航空局は26日、国内旅客航空便の運航に対する財政補助を行うと発表したほか、中国人民銀行（中央銀行）は同日、中小企業に対する融資を促進するよう商業銀行に通知した。これより先、国務院（内閣に相当）は25日、経済安定を巡り、地方政府の幹部ら10万人超を動員した異例の規模のテレビ会議を開催している。報道によれば、李克強・首相は先ごろの常務会議で決定した33項目の景気対策について、できる限り5月末までに実施細則を発表するよう関連部局に指示した。
　こうした中、本日の香港・本土マーケットは全体としてしっかりとした展開となろう。昨夜の米株や中国株ADRが大幅上昇した流れを継ぎそうだ。また、中国景気の鈍化懸念はくすぶっているが、経済対策の期待感も大きい。政策で恩恵を受けやすい銘柄群も改めて注目されよう。


内容についてのお問い合わせは＜info@ashuir.com＞まで。