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2020/08/03 09:02

神経質な値動きか、米中対立の警戒感が重荷 無料記事

◆週明け3日の香港マーケットは、米中対立の警戒感で神経質な値動きか。(亜州リサーチ編集部)
 外部環境はひとまず落ち着いている。先週末の米株市場は、主要指標のNYダウが前日比0.4%高と反発し、ナスダック指数が1.5%高と3日続伸。主力IT企業に好決算が相次ぎ、相場を支えた。新型コロナ禍にあってもアナリスト予想を上回る決算を発表したことで、アルファベット(グーグルの持株会社)、アップル、フェイスブックが急伸。なかでもアップルは10%超上昇し(上場来高値を更新)、時価総額が再び世界トップに躍り出た。ただ、上値は重い。新型コロナ対策の法案を巡り、与野党の協議が難航している。争点となっている失業給付の上乗せ分は、7月末で期限を迎えるため、消費活動が鈍ると懸念された。NYダウはマイナス圏で推移する場面もみられている。
 他方、米財務省は7月31日、新疆ウイグル自治区でウイグル族に対する「深刻な人権侵害」に関与したとして、準軍事組織の「新疆生産建設兵団」と関係者2人に制裁措置を発動したことを明らかにした。
 一方、7月31日の本土株市場では、主要指標の上海総合指数が0.7%高と反発。中国の政策期待が高まった。30日に開かれた中国共産党の中央政治局会議では、20年下半期の政策運営方針が確認されている。うち財政政策に関しては、「より積極的で効果的なものとし、実効性を重視する」とした。新型コロナウイルス感染再拡大を不安視した売りがみられたものの、下値は固く、終盤に入り再びプラス圏に浮上している。なお、朝方公表された7月の中国経済指標では、製造業PMIが上振れる半面、非製造業PMIは下振れた。
 こうしたなか、本日の香港・本土マーケットは全体として神経質な値動きか。米ハイテク株高はプラス材料となるものの、米中対立の警戒感が重しとなりそうだ。また、新型コロナウイルス感染拡大に歯止めがかからないこともマイナス。香港政府は2日夕方、コロナ感染者を新たに115人確認したと発表した。新規感染者が100人を超えるのは12日連続となっている。米国でも一部の州では、感染拡大のペースが拡大する状況だ。世界保健機関(WHO)は1日、新型コロナのパンデミック(世界的大流行)は長期化するとの見通しを改めて示している。
 なお本日は取引時間中に(日本時間10時45分ごろ)、7月の財新中国製造業PMI(民間集計)が公表される予定。事前の市場コンセンサス予想では、前月の51.2から51.1にやや低下する見込みだ。


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