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2022/06/09 08:46

神経質な値動きか、外部環境が不透明 無料記事

◆9日の香港マーケットは、外部環境の不透明感で神経質な値動きか。(亜州リサーチ編集部)
 外部環境は不透明。昨夜の米株市場では、主要指標のNYダウが前日比0.8%安、ハイテク株比率の大きいナスダック指数が0.7%安とそろって3日ぶりに反落した。世界景気の先行き不安が強まる。経済協力開発機構(OECD)が8日公表した経済見通しでは、世界経済の成長率が前回(昨年12月時点)の4.5%→3.0%と大幅に下方修正された。あわせて、インフレ率予想もほぼ倍増させている。原油相場が大幅続伸したこともあり、米10年債利回りは再び心理的節目の3.0%台を突破した。金利高が企業収益に与える悪影響も不安視されている。また、半導体のインテルは、需要伸び悩みの予想を発表。同社株のほか、関連銘柄が軒並み急落した。フィラデルフィア半導体株指数(SOX)は2.4%下落し、他の指数をアンダーパフォームしている。
 一方、中国国内の環境は良好。新型コロナウイルスの新規感染者数が減少しつつある中、経済活動も正常化しつつある。中国最大の経済都市、上海市では6月から全企業が操業再開可能となり、中国重点企業のほか、主要外資系企業の工場も大半が再稼働している。昨夜の米市場では、中国企業のADR(米国預託証券)で構成されるナスダック・ゴールデン・ドラゴン中国指数(HXC)が5.7%上昇し、約3カ月ぶりの高値を付けた。
 なお、中国では本日、5月の貿易統計が発表される。直前のコンセンサス予想では、輸出と輸入の伸びが前月から大幅に改善する見込みだ。また、あす10日には、同月の物価統計が公表される。
 こうした中、本日の香港・本土マーケットは全体として神経質な値動きか。中国国内の環境はポジティブだが、外部環境の不透明感が重しとなりそうだ。また、中国経済指標の結果次第では、相場が乱高下する恐れもあろう。


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