2022/08/05 09:05
神経質な値動きか、米雇用統計が気がかり
◆5日の香港マーケットは、米雇用統計の見極めで神経質な値動きか。(亜州リサーチ編集部)
外部環境はやや不透明。4日の米株市場は、好悪材料が入り混じる中でまちまちの展開だった。7月の米雇用統計の発表を翌日に控え、様子見ムードも漂っている。主要指標のNYダウは前日比0.3%安と反落し、ハイテク株比率の大きいナスダック指数は0.4%高と続伸した。景気不安の高まりがマイナス。米労働省が4日発表した新規失業保険申請件数(週間)は、予想以上に前回から増加している。また、イングランド銀行(英中央銀行)は27年ぶりとなる大幅利上げに踏み切った上で、「英経済は長期のリセッション(景気後退)に向かいつつある」と異例の警告を発した。半面、金利低下は好材料。原油相場が大幅続落(WTI原油先物は2.3%安)したことや、景気の減速でインフレ懸念がいったん後退し、米10年債利回りは連日で低下した。ハイテクなど高PER(株価収益率)のグロース(成長)株にとっての追い風となっている。なお、米金融政策に大きな影響を与える米雇用統計は、日本時間5日午後9時半に公表される予定だ。
内部的には、当局が産業支援策を強めていることに加え、新型コロナウイルス感染が全体としては落ちつきつつあるなど好材料は散見されるものの、投資家のリスク選好を高めるには力不足。一方で、ペロシ米下院議長の訪台に抗議し、中国人民解放軍は台湾を囲むように6カ所で大規模な実弾演習を始めたことは不安材料だ(7日まで実施する見通し)。主要企業の中間決算報告が始まっているほか、週明け以降に7月の経済指標が相次ぎ公表されることも気がかり材料となる(7日に貿易統計、10日に物価統計、15日に鉱工業生産や小売売上高など)。
こうした中、本日の香港・本土マーケットは全体として神経質な値動きか。米ハイテク株高を手がかりにテック銘柄などが買われる可能性はあるものの、米雇用統計の発表を前に、積極的な売買が手控えれることも考えられる。
なお、阿里巴巴集団HD(アリババ・グループ・ホールディング:9988/HK、BABA/NYSE)が昨日引け後に報告した4〜6月期決算は、売上高が上場以来初めて減収となったものの(0.1%減)、市場予想は上回った。米上場のADRは大幅続伸している。
内容についてのお問い合わせは<info@ashuir.com>まで。
外部環境はやや不透明。4日の米株市場は、好悪材料が入り混じる中でまちまちの展開だった。7月の米雇用統計の発表を翌日に控え、様子見ムードも漂っている。主要指標のNYダウは前日比0.3%安と反落し、ハイテク株比率の大きいナスダック指数は0.4%高と続伸した。景気不安の高まりがマイナス。米労働省が4日発表した新規失業保険申請件数(週間)は、予想以上に前回から増加している。また、イングランド銀行(英中央銀行)は27年ぶりとなる大幅利上げに踏み切った上で、「英経済は長期のリセッション(景気後退)に向かいつつある」と異例の警告を発した。半面、金利低下は好材料。原油相場が大幅続落(WTI原油先物は2.3%安)したことや、景気の減速でインフレ懸念がいったん後退し、米10年債利回りは連日で低下した。ハイテクなど高PER(株価収益率)のグロース(成長)株にとっての追い風となっている。なお、米金融政策に大きな影響を与える米雇用統計は、日本時間5日午後9時半に公表される予定だ。
内部的には、当局が産業支援策を強めていることに加え、新型コロナウイルス感染が全体としては落ちつきつつあるなど好材料は散見されるものの、投資家のリスク選好を高めるには力不足。一方で、ペロシ米下院議長の訪台に抗議し、中国人民解放軍は台湾を囲むように6カ所で大規模な実弾演習を始めたことは不安材料だ(7日まで実施する見通し)。主要企業の中間決算報告が始まっているほか、週明け以降に7月の経済指標が相次ぎ公表されることも気がかり材料となる(7日に貿易統計、10日に物価統計、15日に鉱工業生産や小売売上高など)。
こうした中、本日の香港・本土マーケットは全体として神経質な値動きか。米ハイテク株高を手がかりにテック銘柄などが買われる可能性はあるものの、米雇用統計の発表を前に、積極的な売買が手控えれることも考えられる。
なお、阿里巴巴集団HD(アリババ・グループ・ホールディング:9988/HK、BABA/NYSE)が昨日引け後に報告した4〜6月期決算は、売上高が上場以来初めて減収となったものの(0.1%減)、市場予想は上回った。米上場のADRは大幅続伸している。
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