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2022/07/13 08:35

神経質な値動きか、米中の指標発表が気がかり 無料記事

◆13日の香港マーケットは、米中の指標発表を控え神経質な値動きか。(亜州リサーチ編集部)
外部環境はネガティブ。12日の米株市場は、主要指標のNYダウが前日比0.6%安と3日続落し、ハイテク株比率の大きいナスダック指数も0.9%安と続落した。6月・米消費者物価指数(CPI)の発表を翌日に控え、インフレ高進の警戒感が投資家心理の重しとなっている。ジャンピエール米大統領補佐官は11日、「米CPIは非常に高い水準になる見通し」と発言。インフレ抑制のため金融当局が引き締めを加速した場合、経済が下押しされると懸念され、米10年債利回りが2年債利回りを下回る逆イールド(景気後退の前兆とされる)が継続した。また、国際通貨基金(IMF)が12日公表した資料では、今年と来年の米成長率見通しが下方修正されている。
 一方、内部環境は好悪材料が交錯。プラス材料としては、中国政府が経済対策を強めていることが挙げられる。国家発展改革委員会と交通運輸部は12日、2035年の総延長約46万1000キロメートル(地球11.5周回分)を目指す長期の道路整備計画を発表した。それより先、中国政府は専項債(公益事業向け資金調達を行う特別地方債)の前倒し発行を計画している――との観測も流れている。他方、新型コロナウイルスの感染拡大はマイナス材料。感染力のより強いオミクロン派生型「BA.5」が各地で確認される中、行動制限など防疫措置が強化されている。
 なお、中国では今週、重要経済統計の発表が相次ぐ予定(13日に6月の貿易統計、15日に同月の小売売上高や鉱工業生産、第2四半期のGDP成長率など)。本日の貿易統計については、輸出と輸入の伸び率が人民元ベースで前回から上向く見込みだ。
 こうした中、本日の香港・本土マーケットは全体として神経質な値動きか。上述したように、米中の指標発表が気がかり材料として意識されよう。中国のコロナ感染再拡大や、米景気の先行きに対する警戒感も引き続き懸念材料となりそうだ。


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