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2022/08/02 08:53

売り先行か、米中関係の悪化を懸念 無料記事

◆2日の香港マーケットは、米中関係の悪化警戒で売り先行か。(亜州リサーチ編集部)
 外部環境はやや不透明。1日の米株市場は、主要指標のNYダウが前営業日比0.1%安、ハイテク株比率の大きいナスダック指数が0.2%安とそろって4日ぶりに反落している。中国の景況感悪化や米中関係の悪化を不安視。複数の米メディアは、「ペロシ米下院議長は2日に台湾を訪問する見通し」と報じた。米憲法によれば、下院議長は大統領継承順位で副大統領に次ぎ2位の要職となる。中国外交部の報道官は、議長が台湾を訪問することになれば、中国軍は「座視しない」と警告した。もっとも、下値は限定的。インフレ圧力の緩和が相場を下支えしている。WTI原油先物は4.8%安と急反落した。また、米サプライマネジメント協会(ISM)が発表した7月の製造業景況感指数は52.8となり、20年6月以来の低水準に落ち込み、中でも「物価」の項目が大幅に低下している。米10年債利回りは、約4カ月ぶりの低水準を付けた。
 一方、中国では景況感が再び悪化。週末に公表された7月の中国製造業PMI(国家統計局などが集計)は49.0に停滞し、景況判断の境目となる50を2カ月ぶりに割り込んでいる。また、1日に発表された民間集計の財新中国製造業PMIは、予想以上に前月から低下した。ほか、香港政府が1日に発表した2022年第2四半期(4〜6月)の域内総生産(GDP)速報値は、前年同期比で1.4%減。マイナス成長は2四半期連続となった。新型コロナウイルスの感染拡大による物流停滞や、世界的な景気減速が輸出にインパクトをもたらしている。
 こうした中、本日の香港・本土マーケットは売りが先行する流れか。上述したように、米中関係の悪化懸念が投資家心理を冷やしそうだ。ただ、国内景気の低迷が鮮明化する中、当局が産業支援策などを強めていることもあり、下値を拾う動きはみられよう。


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