◆22日の香港マーケットは、米金利高を嫌気し売りが先行する展開か。(亜州リサーチ編集部)
　外部環境はネガティブ。休場明け21日の米株市場は、米金利の大幅上昇が嫌気され、主要指標のNYダウが前営業日比2.1％安と急反落し、ハイテク株比率の大きいナスダック指数が2.5％安と大幅に3日続落している。米債券市場では各年限の利回りが急上昇し、長期金利の指標となる10年債利回りは一時、昨年11月以来の水準に達した。米国ではこのところ、インフレ高止まりを示唆する経済指標が相次いでいる。先週公表された物価指標や小売売上高の上振れに続き、21日に発表された2月の米総合購買担当者景気指数（PMI）速報値も予想を大幅に上回り、8カ月ぶりの高水準を記録。米連邦準備理事会（FRB）は積極的な利上げを継続する――との見方も一段と強まった。
　一方、中国国内では政策期待が高まる状況。来週末の3月5日、全国人民代表大会（全人代、国会に相当）が開幕する。国政助言機関の全国政治協商会議は4日に開幕する予定だ。中国景気のテコ入れに向けて、各種方針が打ち出されると見込まれている。また、足もとでは、中国人民銀行（中央銀行）が資金供給を継続。不動産私募ファンドの試験導入や、新規株式公開（IPO）の手続き簡素化などの方針も決定された。
　こうした中、本日の香港・本土マーケットは売りが先行する展開となろう。上述したように、米金利高が投資家心理を冷やしそうだ。外国為替市場では、オフショア人民元や香港ドルが対米ドルで安く推移している。資金流出も警戒される状況だ。ただ、中国経済対策の期待感が根強いこともあり、下値では政策で恩恵を受けやすい銘柄群を物色する動きがみられそうだ。


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