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2023/05/11 08:57

神経質な値動きか、中国物価統計が気がかり 無料記事

◆11日の香港マーケットは、中国物価指標の見極めで神経質な値動きか。(亜州リサーチ編集部)
 外部環境は良好。10日の米株市場は、インフレ進行の警戒感がやや薄れる中、高PER(株価収益率)のグロース(成長)株の物色で全体としてはしっかりとした展開だった。主要指標のNYダウが前日比0.1%安と小幅に3日続落したものの、ハイテク株比率の大きいナスダック指数は1.0%高と反発し、再び年初来高値を更新している。機関投資家がベンチマークとして重要視するS&P500指数も0.5%上昇した。寄り付き前に公表された4月の消費者物価指数(CPI)は4.9%上昇となり、予想の5.0%上昇を下回る結果。6月の米連邦公開市場委員会(FOMC)で利上げが停止される――との観測が一段と強まっている。米債券市場では10年債利回りが急低下した。また、米株市場の不安心理を表すVIX(20を超えると不安心理が高まった状態とされる通称「恐怖指数」)は16.47となり、前日比で7.0%下落。今年の最低水準に接近している(4月28日の15.78)。
 一方、中国では本日(日本時間午前10時半ごろ)、4月の物価統計が公表される。市場コンセンサスでは、CPIの上昇率が前年同月比0.3%(前月は0.7%)、生産者物価指数(PPI)がマイナス3.3%(同マイナス2.5%)で着地する見込みだ。
 こうした中、本日の香港・本土マーケットは全体として神経質な値動きか。米インフレ鈍化はプラス材料となるが、中国物価指標が気がかり材料だ。9日公表された4月の中国貿易統計では、人民元建て輸入が0.8%減少し、3月の6.1%増からマイナス成長に転落している。内需の弱さが指摘されただけに、企業活動の目安にもなるPPIの動向によっては、中国の景気不安が高まる恐れもある。


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