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2025/05/02 08:52

上値の重い展開か、米雇用統計が気がかり 無料記事

◆2日の香港マーケットは、米雇用統計の発表を前に上値の重い展開か。(亜州リサーチ編集部)
 外部環境には気がかり材料がある。米国では今夜(日本時間21時30分ごろ)、4月の雇用統計が発表される予定。トランプ米政権が4月5日、「相互関税」の第1弾を発動してからの実態が反映されるため、動向が注視される。直近の経済指標では、米サプライマネジメント協会(ISM)が1日公表した4月の製造業景況感指数(PMI)が48.7となり、3月の49.0から低下した。景況判断の境目となる50を2カ月連続で割り込み、昨年11月以来の最低水準となっている。また、4月30日に発表された1〜3月の米GDP成長率は、前期比年率で0.3%減。マイナス成長となったのは3年ぶりだ。
 ただ、米株市場は堅調。1日は主要指標のNYダウが前日比0.2%高と8日続伸し、4月2日以来、約1カ月ぶりの高値を付けた。ハイテク株比率の大きいナスダック指数は1.5%高と反発し、3月27日以来の高値を付けている。主力ハイテク企業の好決算が支えとなった。1〜3月期の売上高が予想を上回ったマイクロソフトが7.6%急伸している。米債券市場では、米10年債利回りが上昇(債券価格は8日ぶりに反落)。雇用統計前にいったん債券を売る動きが優勢となった。
 中国銘柄もしっかり。中国企業のADR(米国預託証券)で構成されるナスダック・ゴールデン・ドラゴン中国指数(HXC)は0.2%高と3日ぶりに反発した。主要な香港との重複上場銘柄では、金山雲(キングソフト・クラウド:KC/NASDAQ、3896/HK)が2.8%高、万国数拠HD(GDS/NASDAQ、9698/HK)が2.2%高と上げが目立っている。
 商品相場は、WTI原油先物が1.8%高と4日ぶりに反発する一方、NY金先物が2.9%安と3日続落した。
 内部環境には好悪材料が入り混じる。景気懸念が浮上する一方で、政策期待は高まっている。4月30日に発表された4月の中国製造業PMI(国家統計局などが集計)は49.0となり、市場予想(49.7)以上に前月(50.5)から低下した(景況判断の境目となる50を割り込むのは3カ月ぶり)。この結果を受け、市場では当局が景気支援の動きを強めるとの見方が広がっている。中国国家発展改革委員会の副主任は先ごろ、今年の経済成長目標「5.0%前後」の達成に自信を示したうえで、「経済状況の変化に応じて新たな政策を公表する」と述べた。
 なお、メーデーに絡んだ祝日により、本土市場は1日から5日まで休場。香港市場は週明け5日が仏誕節で休場となる。
 こうした中、本日の香港マーケットは全体として上値の重い展開か。米ハイテク企業の好決算や、中国の政策に対する期待感は支えとなるが、米雇用統計の結果を見極めたいとするスタンスが様子見ムードにつながりそうだ。また、本土市場が連休中とあって、積極的な売買も手控えられよう。


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