2025/05/06 09:13
上値の重い展開か、米中協議に不透明感 
◆休場明け6日の香港マーケットは、米中協議を巡る不透明感が上値を重くする展開か。(亜州リサーチ編集部)
外部環境はやや不透明。米中通商交渉の先行き不安がくすぶっている。中国当局が先週、米中通商協議の可能性を検討していると述べる中、トランプ米大統領は4日、中国に関する最優先事項は公正な取引を確保することとしながら、「中国は米国を食い物にしている」と再び発言。中国側が交渉を行ううえで求めている「誠意」が示されたとは言えない。また、トランプ氏は現時点で習近平・国家主席と対話する予定はないとコメントするなど、通商対立の長期化も懸念された。そのほかトランプ氏は、すべての海外製作映画に100%の関税を課す方針を表明。米国の高関税政策の警戒感も高まった。
5日の米株市場は、主要指標のNYダウが前営業日比0.2%安と10日ぶりに反落し、ハイテク株比率の大きいナスダック指数が0.7%安と3日ぶりに反落している。前週は米中貿易摩擦の緩和期待などを手がかりに買いが継続し、NYダウは4月2日以来の高値水準を回復していた。米債券市場では、米10年債利回りが上昇(債券価格は3日続落)。米サプライマネジメント協会(ISM)が5日公表した4月の非製造業景況感指数(PMI)が予想を上回り、過度な米景気懸念が後退したことで、債券売りが進んだ。
中国銘柄もさえない。中国企業のADR(米国預託証券)で構成されるナスダック・ゴールデン・ドラゴン中国指数(HXC)は0.04%安と3日ぶりに反落した。主要な香港との重複上場銘柄では、蔚来汽車(NIO/NYSE、9866/HK)が1.2%安、京東集団(JDドットコム:JD:NASDAQ、9618/HK)が1.2%安、万国数拠HD(GDS/NASDAQ、9698/HK)が1.1%安と下げが目立っている。
商品相場は、WTI原油先物が2.0%安と続落。一時、4月上旬以来の安値を付けた。一方、NY金先物が2.4%高と続伸している。
一方、内部環境に目立った変化はない。中国景況感の悪化を受け、中国の政策に対する期待感は強まっているが、具体的な動きはまだみられない状況だ。
なお、本日の取引時間中(日本時間10時45分ごろ)に、民間集計による4月の財新サービス業購買担当者指数(PMI)が公表される予定。最新の市場コンセンサスでは、3月の51.9から51.8にやや低下すると見通しだ。
こうした中、本日の香港・本土マーケットは全体として上値の重い展開か。昨夜の米株は反落したが、中国が連休中の海外市場は概ね良好だったため、指数は強含みでスタートする可能性もあるが、米中通商協議を巡る不透明感が投資家の慎重スタンスを強めさせそうだ。
内容についてのお問い合わせは<info@ashuir.com>まで。
外部環境はやや不透明。米中通商交渉の先行き不安がくすぶっている。中国当局が先週、米中通商協議の可能性を検討していると述べる中、トランプ米大統領は4日、中国に関する最優先事項は公正な取引を確保することとしながら、「中国は米国を食い物にしている」と再び発言。中国側が交渉を行ううえで求めている「誠意」が示されたとは言えない。また、トランプ氏は現時点で習近平・国家主席と対話する予定はないとコメントするなど、通商対立の長期化も懸念された。そのほかトランプ氏は、すべての海外製作映画に100%の関税を課す方針を表明。米国の高関税政策の警戒感も高まった。
5日の米株市場は、主要指標のNYダウが前営業日比0.2%安と10日ぶりに反落し、ハイテク株比率の大きいナスダック指数が0.7%安と3日ぶりに反落している。前週は米中貿易摩擦の緩和期待などを手がかりに買いが継続し、NYダウは4月2日以来の高値水準を回復していた。米債券市場では、米10年債利回りが上昇(債券価格は3日続落)。米サプライマネジメント協会(ISM)が5日公表した4月の非製造業景況感指数(PMI)が予想を上回り、過度な米景気懸念が後退したことで、債券売りが進んだ。
中国銘柄もさえない。中国企業のADR(米国預託証券)で構成されるナスダック・ゴールデン・ドラゴン中国指数(HXC)は0.04%安と3日ぶりに反落した。主要な香港との重複上場銘柄では、蔚来汽車(NIO/NYSE、9866/HK)が1.2%安、京東集団(JDドットコム:JD:NASDAQ、9618/HK)が1.2%安、万国数拠HD(GDS/NASDAQ、9698/HK)が1.1%安と下げが目立っている。
商品相場は、WTI原油先物が2.0%安と続落。一時、4月上旬以来の安値を付けた。一方、NY金先物が2.4%高と続伸している。
一方、内部環境に目立った変化はない。中国景況感の悪化を受け、中国の政策に対する期待感は強まっているが、具体的な動きはまだみられない状況だ。
なお、本日の取引時間中(日本時間10時45分ごろ)に、民間集計による4月の財新サービス業購買担当者指数(PMI)が公表される予定。最新の市場コンセンサスでは、3月の51.9から51.8にやや低下すると見通しだ。
こうした中、本日の香港・本土マーケットは全体として上値の重い展開か。昨夜の米株は反落したが、中国が連休中の海外市場は概ね良好だったため、指数は強含みでスタートする可能性もあるが、米中通商協議を巡る不透明感が投資家の慎重スタンスを強めさせそうだ。
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