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2023/03/17 08:59

買い先行か、欧米の金融システム不安後退 無料記事

◆17日の香港マーケットは、欧米の金融システム不安後退で買われる流れか。(亜州リサーチ編集部)
 外部環境は安定しつつある。16日の米株市場は、金融システム不安が薄らぐ中、主要指標のNYダウが前日比1.2%高と反発し、ハイテク株比率の大きいナスダック指数が2.5%高と4日続伸した。米金融当局は16日、経営不安が続くカリフォルニア州の中堅地銀ファースト・リパブリック・バンクに対し、米金融大手11社が「奉加帳方式(付き合いで横並びに金品を負担)」で計300億米ドル(約4兆円)を預金し同行を支援すると発表。流動性の確保で、資金流出の混乱が回避できると好感された。また、巨額債務を抱えるクレディ・スイス・グループは16日、スイス国立銀行(中央銀行)から最大500億スイスフラン(約7兆1000億円)を調達し、財務強化を図る計画を公表している。ただ、朝方は売りが優勢だった。金融不安がくすぶる中にあっても、欧州中央銀行(ECB)は計画通り0.5%利上げを決定。米連邦準備理事会(FRB)も利上げを継続すると警戒された。
 一方、内部的には新規材料に乏しい。相場に影響を与えやすい指標発表は、20日に3月の最優遇貸出金利「ローンプライムレート(LPR)」、27日に2月の工業企業利益、31日に3月の製造業PMIがある。15日に公表された1〜2月の各種経済統計は概ね良好だったが、一部では「力強さにかける」との指摘もあっただけに、内容を見極めたいとするムードも漂っている。また、主要企業の決算発表が本格化しつつあり、これに関しても注目度が高まる状況だ。
 こうした中、本日の香港・本土マーケットは買いが先行する可能性が高い。上述したように、欧米の銀行不安が薄らいだことを好感しよう。また、下落基調が続いていた原油相場が上昇したことも追い風だ(WTI原油先物は1.1%高で4日ぶり反発)。ただ、買い一巡後、中国の経済・企業動向を見極めたいとするスタンスが強まれば、上値を重くする恐れもありそうだ。



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