2023/03/29 09:03
底堅い展開か、アリババ株の動向を注視
◆29日の香港マーケットは、米金融不安の後退と中国の景気重視スタンスで底堅い展開か。(亜州リサーチ編集部)
外部環境はやや不透明。28日の米株市場では、米金利上昇が嫌気され、主要指標のNYダウが前日比0.1%安と4日ぶりに反落し、ハイテク株比率の大きいナスダック指数が0.4%安と続落した。堅調な米経済指標が相次ぐ中、米債券市場では、米10年債利回りが前日の3.52%台→3.57%台、政策金利に連動しやすい2年債利回りが再び4.0%台に上昇した。10年債利回りが2年債利回りを下回る逆イールド(景気後退の前兆とされる)は拡大している。この日公表された経済指標では、3月の米消費信頼感指数が予想に反して上昇し、同月のリッチモンド連銀製造業指数も上振れた。足もとで景気が改善していることはプラスといえるものの、同時にインフレ懸念も強まる格好。金融当局が引き締めスタンスを継続すると不安視された。ただ、米金融不安が後退したことは引き続き支えとなり、指数は高く推移する場面もみられている。
一方、内部的には全体相場に影響を与える材料に乏しい。中国では今週31日、今年3月の製造業PMIが公表されるため、結果を見極めたいとするムードも漂う状況だ。また、香港では主要企業の決算発表が佳境に入っている。本日は、東風汽車集団(489/HK)や復星国際(656/HK)、中国石油天然気(857/HK)、中国海洋石油(883/HK)、龍源電力集団(916/HK)、中国建設銀行(939/HK)、快手科技(1024/HK)、華電国際電力(1071/HK)、華潤置地(1109/HK)、華晨中国汽車HD(1114/HK)、中遠海運港口(1199/HK)、江西カン鋒リ業集団(1772/HK)、広州汽車集団(2238/HK)、中国蒙牛乳業(2319/HK)、中国人寿保険(2628/HK)、碧桂園服務HD(6098/HK)などが期末決算を報告する予定だ。
そのほか、阿里巴巴集団HD(アリババ・グループ・ホールディング:9988/HK、BABA/NYSE)株の動向にも注視したい。同社は28日、会社を6部門に分割し、新規株式公開(IPO)も検討すると発表。事業の成長加速や、価値向上が期待され、昨夜の米市場では同社のADR(米国預託証券)が14%高と急伸している。
こうした中、本日の香港・本土マーケットは全体として底堅く推移しそうだ。米金利上昇は不安要素となるものの、米金融不安の後退や中国人民銀行(中央銀行)の資金供給スタンスが相場を支えよう。商品市況高も追い風。NY市場ではWTI原油先物が続伸し、ロンドン金属取引所(LME)ではアルミや銅など主要産品の先物価格が軒並み上昇している。また、上述したように、アリババ株の動向によっては、投資家心理が強気に傾く可能性もあろう。
内容についてのお問い合わせは<info@ashuir.com>まで。
外部環境はやや不透明。28日の米株市場では、米金利上昇が嫌気され、主要指標のNYダウが前日比0.1%安と4日ぶりに反落し、ハイテク株比率の大きいナスダック指数が0.4%安と続落した。堅調な米経済指標が相次ぐ中、米債券市場では、米10年債利回りが前日の3.52%台→3.57%台、政策金利に連動しやすい2年債利回りが再び4.0%台に上昇した。10年債利回りが2年債利回りを下回る逆イールド(景気後退の前兆とされる)は拡大している。この日公表された経済指標では、3月の米消費信頼感指数が予想に反して上昇し、同月のリッチモンド連銀製造業指数も上振れた。足もとで景気が改善していることはプラスといえるものの、同時にインフレ懸念も強まる格好。金融当局が引き締めスタンスを継続すると不安視された。ただ、米金融不安が後退したことは引き続き支えとなり、指数は高く推移する場面もみられている。
一方、内部的には全体相場に影響を与える材料に乏しい。中国では今週31日、今年3月の製造業PMIが公表されるため、結果を見極めたいとするムードも漂う状況だ。また、香港では主要企業の決算発表が佳境に入っている。本日は、東風汽車集団(489/HK)や復星国際(656/HK)、中国石油天然気(857/HK)、中国海洋石油(883/HK)、龍源電力集団(916/HK)、中国建設銀行(939/HK)、快手科技(1024/HK)、華電国際電力(1071/HK)、華潤置地(1109/HK)、華晨中国汽車HD(1114/HK)、中遠海運港口(1199/HK)、江西カン鋒リ業集団(1772/HK)、広州汽車集団(2238/HK)、中国蒙牛乳業(2319/HK)、中国人寿保険(2628/HK)、碧桂園服務HD(6098/HK)などが期末決算を報告する予定だ。
そのほか、阿里巴巴集団HD(アリババ・グループ・ホールディング:9988/HK、BABA/NYSE)株の動向にも注視したい。同社は28日、会社を6部門に分割し、新規株式公開(IPO)も検討すると発表。事業の成長加速や、価値向上が期待され、昨夜の米市場では同社のADR(米国預託証券)が14%高と急伸している。
こうした中、本日の香港・本土マーケットは全体として底堅く推移しそうだ。米金利上昇は不安要素となるものの、米金融不安の後退や中国人民銀行(中央銀行)の資金供給スタンスが相場を支えよう。商品市況高も追い風。NY市場ではWTI原油先物が続伸し、ロンドン金属取引所(LME)ではアルミや銅など主要産品の先物価格が軒並み上昇している。また、上述したように、アリババ株の動向によっては、投資家心理が強気に傾く可能性もあろう。
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