◆27日の香港マーケットは、好悪材料が入り混じる中で方向感を欠く展開か。(亜州リサーチ編集部)
　外部環境は中立。26日の米株市場は、ハイテク大手の好決算と一部地銀の経営不安が綱引きとなり、全体として方向感を欠いた。主要指標のNYダウが前日比0.7％安と続落する一方、ハイテク株比率の大きいナスダック指数は0.5％高と3日ぶりに反発している。決算報告書により大規模な資金流出が判明し、米中堅地銀ファースト・リパブリック・バンクは29.8％安（前日は49.4％安）。信用収縮が米経済に影を落とすと不安視された。他方、1〜3月期決算で売上高が予想を上回ったマイクロソフトは7.2％高と急伸。ハイテク株全体の追い風となった。メタ・プラットフォームズ（旧フェイスブック）は引け後に報告した四半期決算では、売上高が上振れ。時間外取引で大幅上昇している。
　一方、香港では主要な中国企業の決算発表が佳境に入った。本日（27日）は、馬鞍山鋼鉄(323/HK)や鞍鋼(347/HK)、中国石油化工(386/HK)、中国海洋石油(883/HK)、比亜迪(1211/HK)、新華人寿保険(1336/HK)、中国郵政儲蓄銀行(1658/HK)、江西カン鋒リ業集団(1772/HK)、中国中煤能源(1898/HK)、北京汽車(1958/HK)、中国国際海運集装箱(2039/HK)、中国人民財産保険(2328/HK)、中国太平洋保険（集団）(2601/HK)、中国人寿保険(2628/HK)、紫金鉱業集団(2899/HK)、中信証券(6030/HK)、あす28日は中国中鉄(390/HK)や中国東方航空(670/HK)、中国石油天然気(857/HK)、中国建設銀行(939/HK)、中国南方航空(1055/HK)、華電国際電力(1071/HK)、中国神華能源(1088/HK)、中国鉄建(1186/HK)、中国農業銀行(1288/HK)、中国工商銀行(1398/HK)、中国交通建設(1800/HK)、中遠海運HD(1919/HK)、万科企業(2202/HK)、広州汽車集団(2238/HK)、中銀香港(2388/HK)、交通銀行(3328/HK)、中国銀行(3988/HK)、洛陽欒川モリブデン業集団(3993/HK)などが第1四半期決算を報告する。
　こうした中、本日の香港・本土マーケットは全体として方向感を欠く展開か。米ハイテク株高は好感されそうだが、米中対立激化の警戒感が重しとなる。目先は、決算動向に着目した選別物色となろう。


内容についてのお問い合わせは＜info@ashuir.com＞まで。