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2023/03/14 09:02

神経質な値動きか、内外の金融・経済情勢見極めへ 無料記事

◆14日の香港マーケットは、内外の金融・経済情勢見極めで神経質な値動きか。(亜州リサーチ編集部)
 外部環境は依然として不透明。13日の米株市場は、好悪材料が入り混じる中でまちまちの展開だった。相次ぐ米地銀の破綻で、金融システム不安が意識されたことはマイナス。他方、利上げペース加速懸念が後退し、金利が大幅に低下したことはプラスだ。主要指標のNYダウは前営業日比0.3%安と5日続落したが、ハイテク株比率の大きいナスダック指数は0.4%高と3営業日ぶりに反発している。10日のシリコンバレー銀行(SVB)破綻に続き、ニューヨーク拠点のシグネチャー・バンクも12日に閉鎖が決まった。地銀を中心に金融株の売りが止まらず、NYダウの重しとなっている。その一方で、経済や金融を支えるため、「米連邦準備理事会(FRB)は3月の米公開市場委員会(FOMC)で利上げをいったん停止する」との観測が浮上。米債券市場では、長短国債利回りが記録的な下げを演じた。金利安による株価の割高感が薄れ、高PER(株価収益率)のハイテク株などに買い戻しが集中している。また、米当局が預金者保護の姿勢を明確にしたことも一定の支えとなった。
 なお、あす14日は2月の米消費者物価指数(CPI)が公表される予定。インフレ高進が認められた場合、FRBは容易に利上げ停止することは難しくなるため、結果が気がかりだ。
 一方、内部環境は良好といえる。中国では前日、全国人民代表大会(全人代、国会に相当)が閉幕し、経済重視のスタンスが確認された。マーケットも素直に好感し、香港・本土の主要株価指数は軒並み大幅上昇している。また、先週10日に公表された2月の金融統計が上振れたことも、中国景気の持ち直しが進んでいると好感された。
 なお、中国ではあす15日、今年1〜2月の各種経済統計(小売売上高や鉱工業生産など)が公表される。
 こうした中、本日の香港・本土マーケットは全体として神経質な値動きか。前日は全人代の閉幕で政策期待が高まり、国策銘柄を中心に物色が広がったとはいえ、外部環境の不透明感はくすぶったままだ。ハイテク分野などに対する米国の対中圧力も強まっており、投資家のセンチメントが再び下向く恐れもある。米中の指標発表を前に、買いが手控えられる可能性もあろう。


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