2023/03/30 08:58
米ハイテク株高で買い先行か、企業決算など見極めで上値の重さも
◆30日の香港マーケットは、米ハイテク株高を好感し買い先行か。(亜州リサーチ編集部)
外部環境は良好。29日の米株市場は、米金利の上昇一服が好感され、主要指標のNYダウが前日比1.0%高と反発し、ハイテク株比率の大きいナスダック指数が1.8%高と3日ぶりに反発した(NYダウは約3週ぶり高値)。このところ上昇が続いていた米10年債利回りは、前日の3.57%台から一時3.6%を突破したが、3.56%台まで低下している。金利安による株価の割高感が薄れ、高PER(株価収益率)のハイテク株などが物色された。フィラデルフィア半導体株指数(SOX)は3.3%高となり、他の指数をアウトパフォームしている。金融システム不安が後退していることもあり、米株市場の不安心理を表すVIX(20を超えると不安心理が高まった状態とされる通称「恐怖指数」)は前日比マイナス4.3%の19.12と連日で低下した。
他方、米中対立の警戒感はくすぶる。台湾の蔡英文・総統は中米歴訪後、経由地の米国でマッカーシー下院議長と会談する見通しと伝わった。また、オースティン米国防長官は29日、中国と対峙する台湾に対し、沿岸防衛に必要な武器供給を加速させる方針を示している。そのほか、米政府は28日、イスラム系少数民族ウイグル族の弾圧に関与したとして、新たに中国企業5社を米商務省が作成する事実上の禁輸リスト「エンティティー・リスト」に追加した。
一方、中国ではあす31日(日本時間午前10時30分ごろ)、3月の製造業購買担当者景気指数(PMI、国家統計局などが集計)が公表される予定。直前の市場コンセンサス予想では、製造業PMIが51.6(前回52.6)、非製造業PMIが55.0(前回56.3)にそれぞれ低下する見込みだ。
また、香港では上場する主要企業の決算報告が終盤を迎えている。本日は、馬鞍山鋼鉄(323/HK)や鞍鋼(347/HK)、中国中鉄(390/HK)、中国東方航空(670/HK)、中国国際航空(753/HK)、山東威高集団医用高分子製品(1066/HK)、永利澳門(1128/HK)、中国鉄建(1186/HK)、中国農業銀行(1288/HK)、新華人寿保険(1336/HK)、華虹半導体(1347/HK)、中国工商銀行(1398/HK)、中国郵政儲蓄銀行(1658/HK)、広発証券(1776/HK)、中国交通建設(1800/HK)、中遠海運HD(1919/HK)、碧桂園HD(2007/HK)、万科企業(2202/HK)、長城汽車(2333/HK)、中銀香港(2388/HK)、交通銀行(3328/HK)、中国銀行(3988/HK)、中信証券(6030/HK)、江西金力永磁科技(6680/HK)、海通証券(6837/HK)、海底撈国際HD(6862/HK)などが決算発表する予定だ。
こうした中、本日の香港・本土マーケットは、米ハイテク株高を好感し買い先行しそうだが、中国の経済情勢や企業業績の動向を見極めたいとするスタンスで上値も重そうだ。
内容についてのお問い合わせは<info@ashuir.com>まで。
外部環境は良好。29日の米株市場は、米金利の上昇一服が好感され、主要指標のNYダウが前日比1.0%高と反発し、ハイテク株比率の大きいナスダック指数が1.8%高と3日ぶりに反発した(NYダウは約3週ぶり高値)。このところ上昇が続いていた米10年債利回りは、前日の3.57%台から一時3.6%を突破したが、3.56%台まで低下している。金利安による株価の割高感が薄れ、高PER(株価収益率)のハイテク株などが物色された。フィラデルフィア半導体株指数(SOX)は3.3%高となり、他の指数をアウトパフォームしている。金融システム不安が後退していることもあり、米株市場の不安心理を表すVIX(20を超えると不安心理が高まった状態とされる通称「恐怖指数」)は前日比マイナス4.3%の19.12と連日で低下した。
他方、米中対立の警戒感はくすぶる。台湾の蔡英文・総統は中米歴訪後、経由地の米国でマッカーシー下院議長と会談する見通しと伝わった。また、オースティン米国防長官は29日、中国と対峙する台湾に対し、沿岸防衛に必要な武器供給を加速させる方針を示している。そのほか、米政府は28日、イスラム系少数民族ウイグル族の弾圧に関与したとして、新たに中国企業5社を米商務省が作成する事実上の禁輸リスト「エンティティー・リスト」に追加した。
一方、中国ではあす31日(日本時間午前10時30分ごろ)、3月の製造業購買担当者景気指数(PMI、国家統計局などが集計)が公表される予定。直前の市場コンセンサス予想では、製造業PMIが51.6(前回52.6)、非製造業PMIが55.0(前回56.3)にそれぞれ低下する見込みだ。
また、香港では上場する主要企業の決算報告が終盤を迎えている。本日は、馬鞍山鋼鉄(323/HK)や鞍鋼(347/HK)、中国中鉄(390/HK)、中国東方航空(670/HK)、中国国際航空(753/HK)、山東威高集団医用高分子製品(1066/HK)、永利澳門(1128/HK)、中国鉄建(1186/HK)、中国農業銀行(1288/HK)、新華人寿保険(1336/HK)、華虹半導体(1347/HK)、中国工商銀行(1398/HK)、中国郵政儲蓄銀行(1658/HK)、広発証券(1776/HK)、中国交通建設(1800/HK)、中遠海運HD(1919/HK)、碧桂園HD(2007/HK)、万科企業(2202/HK)、長城汽車(2333/HK)、中銀香港(2388/HK)、交通銀行(3328/HK)、中国銀行(3988/HK)、中信証券(6030/HK)、江西金力永磁科技(6680/HK)、海通証券(6837/HK)、海底撈国際HD(6862/HK)などが決算発表する予定だ。
こうした中、本日の香港・本土マーケットは、米ハイテク株高を好感し買い先行しそうだが、中国の経済情勢や企業業績の動向を見極めたいとするスタンスで上値も重そうだ。
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