◆週明け3日の香港マーケットは、売り圧力が意識される中で上値の重い展開か。(亜州リサーチ編集部)
　外部環境はポジティブ。3月31日の米株市場は、インフレ指標の下振れを材料に、主要指標のNYダウが前日比1.3％高、ハイテク株比率の大きいナスダック指数が1.7％高とそろって3日続伸した（ナスダック指数は約6カ月半ぶり高値）。米商務省が公表した2月の個人消費支出（PCE）はコア指数が前年同月比4.6％増となり、予想と前月実績（ともに4.7％上昇）を下回っている。米連邦準備理事会（FRB）がインフレ動向の目安とするPCEの鈍化を受け、利上げ長期化の警戒感が後退した。また、金融システム不安が薄らいでいることも、引き続き投資家の買い安心感につながっている。原油高もプラス。石油輸出国機構（OPEC）など主要原油産出国が2日、追加減産を決定したことを受け、日本時間3日朝方のWTI原油先物は急上昇し、1月下旬以来の高値を付けている。
　内部環境も良好。中国では、景気持ち直しが継続すると期待されている。先週公表された今年3月の中国製造業PMIは51.9で推移し、前月（52.6）から低下したものの、市場予想（51.6）を上回った。また、非製造業PMIは58.2に達し、市場予想（55.0）に反し、前月（56.3）から上昇している。また、香港では上場する主要企業の12月期決算が先週出揃い、業績改善を示す報告が相次いだ。
　こうした中、本日の香港・本土マーケットは全体として上値の重い展開か。内外に好材料はあるものの、指数はこのところの上昇で売り圧力も意識される状況だ。米中対立の不安も依然としてくすぶっている。先週末の米株市場では、中国企業のADR（米国預託証券）で構成されるナスダック・ゴールデン・ドラゴン中国指数（HXC）が0.7％安と下げた。


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