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2023/06/01 08:54

上値の重い展開か、内外に不安材料 無料記事

◆6月1日の香港マーケットは、内外の不安材料で上値の重い展開か。(亜州リサーチ編集部)
 外部環境はやや不透明。5月31日の米株市場は、米金融引き締めの長期化が警戒される中、主要指標のNYダウが前日比0.4%安と続落し、ハイテク株比率の大きいナスダック指数が0.6%安と4日ぶりに反落した。米連邦準備理事会(FRB)のジェファーソン理事は31日、「(次回会合で)金利が据え置かれても、利上げサイクルがピークに達したわけではない」と発言。6月の連邦公開市場委員会(FOMC)では金利据え置きの予想が高まっているものの、その後に利下げが始まるとの期待は後退した。また、米労働省が公表した4月の米雇用動態調査(JOLTS)では、求人件数が予想外の増加に転じている(増加は4カ月ぶり)。賃金インフレが続くとの見方も広がった。米政府の債務上限問題に関しては、債務上限の一時停止でバイデン米大統領と野党・共和党のマッカーシー下院議長が合意し、31日夜(日本時間1日午前)の下院で合意案が採決される。一部強硬派の抵抗が予想されることもあり、結果を見極めたいとするスタンスも買い手控えにつながった。
 一方、中国国内では景気不安が強まる。昨日公表された5月の中国製造業PMIは48.8に悪化し、市場予想(49.5)をさらに下回った。景況判断の境目となる50を2カ月連続で割り込んでいる。今月に入り公表された中国指標は、総じて弱い内容だ。なお本日は、取引時間中(日本時間10時45分ごろ)に、5月の財新中国製造業PMI(民間集計)が公表される。最新のコンセンサス予想では、前月(49.5)と同水準で着地する見込みだ。
 こうした中、本日の香港・本土マーケットは全体として上値の重い展開か。上述したように、米金融引き締めの長期化観測や、中国の景況感悪化が投資家心理を冷やしそうだ。また、原油相場の軟調(WTI原油先物は2.0%安と続落)も関連銘柄にとっての逆風となろう。ただ、指数は足もとの下落が急ピッチなだけに、自律反発狙いの買いが入ることには期待したい。


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