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2020/02/10 09:07

上値の多い展開か、新型肺炎拡大を不安視 無料記事

◆週明け10日の香港マーケットは、新型肺炎の拡大を警戒して上値の重い展開か。
 外部環境はやや不透明。先週末の米株市場では、主要指標のNYダウが前日比0.9%安、ハイテク株比率の大きいナスダック指数が0.5%安とそろって5日ぶりに反落した。指数は前日に史上最高値を更新したとあって、週末を前に利益確定売りが優勢となっている。キャタピラーやアップルなど中国の景気動向に株価が左右される銘柄群が安い。新型肺炎患者の増加が続く中国で、景気の落ち込みが改めて警戒される状況だ。
 一方、7日の本土株市場では、主要指標の上海総合指数が0.3%高と4日続伸。金融政策に対する期待感が広がった。新型肺炎による景気先行き不安が依然としてくすぶるなか、当局は一段の対策を打ち出すとの観測が強まっている。中国人民銀行(中央銀行)の金融政策委員を務めた余永定氏は7日、「当局はより積極的な財政・金融政策をとるべき」と指摘した。20日に公表される最優遇貸出金利「ローンプライムレート(LPR)」(事実上の貸出基準金利)の2月分に関しては、3カ月ぶりに引き下げられることが確実視されている。
 他方、新型コロナウイルス感染による肺炎患者数の増加は続く。発生した武漢市をかかえる湖北省では9日、新型肺炎による死亡者が871人に達した。2003年のSARSによる世界での死亡者数を超えている。本土では一部地域を除き、10日に春節(旧正月)休暇明けで企業活動が再開されるものの、一部の工場は生産停止を延長している。また、「生産を再開しても、帰省した労働者は工場に戻れない」との声も聞かれた。
 こうしたなか、本日の香港・本土マーケットは全体として上値の重い展開か。中国の景気対策に対する期待感は支えになりそうだが、新型肺炎の拡大が投資家心理の重しとなろう。


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