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2023/03/02 09:03

売り先行か、米ハイテク株安が重しに 無料記事

◆2日の香港マーケットは、米ハイテク株安を嫌気した売りが先行する流れか。(亜州リサーチ編集部)
 外部環境には不透明が漂う。1日の米株市場は、米金利高が懸念され、全体として上値が重かった。主要指標のNYダウは前日比0.02%高と小幅ながら反発したが、ハイテク株比率の大きいナスダック指数が0.7%安と続落。機関投資家がベンチマークとして重要視するS&P500指数も0.5%下げている。米債券市場では、米10年債利回りが一時昨年11月以来となる4.0%を突破し、政策金利に連動しやすい2年債利回りは2007年以来となる4.9%まで上昇した。米サプライマネジメント協会(ISM)が1日公表した2月の製造業景況感指数は47.7となり、景況判断の分かれ目となる50を4カ月連続で下回る一方、原材料価格は上昇している。インフレ高止まりが改めて意識され、米連邦準備理事会(FRB)が引き締めを長期に続けるとの警戒感が一段と高まった。アトランタ連銀のボスティック総裁は1日、「政策金利を一段と引き上げ、2024年もその水準を維持する必要がある」と発言している。
 一方、内部環境は良好だ。中国の景況感が上向いている。昨日公表された2月の製造業購買担当者景気指数(PMI、国家統計局などが集計)は52.6となり、市場予想(50.6)以上に前月実績(50.1)から改善した。2012年4月以来、10年10カ月ぶりの高水準を記録している。また、中国経済対策に対する期待感も根強い。国政助言機関の全国政治協商会議は4日、全国人民代表大会(全人代、国会に相当)は5日に開幕する予定だ。ただ、関係者の一部からは、「中国経済の回復スピードは、政府が想定するより早い」として、「今年の景気刺激策は小幅なものにとどまる」可能性が指摘されている。
 こうした中、本日の香港・本土マーケットは売りが先行する可能性が高い。上述したように、米ハイテク株安が重しとなろう。また、昨日の本土市場では、上海総合指数が約7カ月半ぶりの高値水準を回復したとあって、売り圧力も意識されそうだ。


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