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2022/12/08 08:56

神経質な値動きか、米中の景気懸念が重しに 無料記事

◆8日の香港マーケットは、米中の景気懸念で神経質な値動きか。(亜州リサーチ編集部)
 外部環境には不透明感が漂う。7日の米株市場は、米景気懸念が続き、ハイテク株比率の大きいナスダック指数が前日比0.5%安と4日続落し、主要指標のNYダウは、ほぼ横ばいで取引を終えた。米債券市場では、10年債利回りが2年債利回りを下回る逆イールド(景気後退の前兆とされる)が一段と広がっている。前日には、米銀幹部がそろって、米経済がリセッション(景気後退)入りする可能性を警告した。また、今週9日に11月の米生産者物価指数(PPI)、来週13日に米消費者物価指数(CPI)、14日に米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果が発表されることも様子見ムードにつながっている。
 一方、中国国内では、好悪材料が交錯。まず、リオープン(経済再開)が進展していることはプラスだ。中国の新型コロナウイルス政策を決める最高決定機関「国務院聯防聯控機構」は7日、防疫対策に関する10項目の新方針を発表。従来の対策を一段と緩和した。他方、景気懸念は強まる。前日公表された今年11月の中国貿易統計では、ドル建て輸出入の伸びがそろって大幅に鈍化した。人民元建てでは、輸入が予想外のマイナスに転じ、内需の弱さが再確認された格好となっている。
 なお、中国ではあす9日、今年11月の中国物価統計が公表される予定。市場コンセンサスでは、消費者物価指数(CPI)の上昇率が前年同月比1.6%(前月は2.1%)、生産者物価指数(PPI)がマイナス1.5%(同マイナス1.3%)で着地する見通しとなっている。
 こうした中、本日の香港・本土マーケットは全体として神経質な値動きか。中国や米国など、世界的な景気懸念が投資家心理を冷やしそうだ。また、あす以降に公表される中国や米国の指標も気がかり材料となる。もっとも、中国リオープンの進展期待は大きく、下値を叩くような売りは出にくいだろう。


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