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2023/06/09 08:52

米長期金利低下でしっかりか、中国物価統計は波乱要因にも 無料記事

◆9日の香港マーケットは、米長期金利低下でしっかりとした展開か。(亜州リサーチ編集部)
 外部環境は安定的。8日の米株市場は、米金融引き締め長期化の警戒感が薄らぐ中、主要指標のNYダウが前日比0.5%高と3日続伸し、ハイテク株比率の大きいナスダック指数が1.0%高と反発した。労働市場の悪化を受け、米連邦準備理事会(FRB)は次回の米連邦公開市場委員会(FOMC)で利上げを見送ったあとも、「しばらく引き締めを強めることはない」との期待が広がっている。米債券市場では、米10年債利回りが低下に転じた。米労働省が8日発表した新規失業保険申請件数(週間)は大幅に増加し、件数は約1年半ぶりの高水準に達している。前日はカナダやオーストラリアの利上げ再開を受け、米金融当局も引き締めを継続するとの観測が流れていた。
 中国国内の環境も悪くない。金融緩和の期待が広がっている。中国当局が大型商業銀行に対し、預金金利の引き下げを再び要請したもよう――と報じられる中、中国の大手銀は8日、人民元建て預金金利を一斉に引き下げた。銀行の資金調達コストは低下し、最終的には貸出金利の引き下げにもつながる可能がある。また、市場の一部からは、「中国人民銀行(中央銀行)は追加利下げに動く」との声も聞かれた。
 なお、中国では本日(日本時間午前10時半ごろ)、5月の物価統計が公表される。市場コンセンサスでは、消費者物価指数(CPI)の上昇率が前年同月比0.2%(前月は0.1%)、生産者物価指数(PPI)がマイナス4.3%(同マイナス3.6%)で着地する見込みだ。
 こうした中、本日の香港・本土マーケットは全体としてしっかりとした展開か。上述したように、米長期金利の低下が買い安心感につながりそうだ。また、中国経済対策に対する期待感も引き続き支えとなろう。ただ、中国物価統計の内容には注意したい。PPIは企業活動の目安になるため、予想以上の下落は売り材料になる恐れもある。


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