◆27日の香港マーケットは、米株高が支えにしっかりか。(亜州リサーチ編集部)
　外部環境はポジティブ。26日の米株市場は、米経済のリセッション（景気後退）懸念が薄らぐ中、主要指標のNYダウが前日比0.6％高と5日続伸し、ハイテク株比率の大きいナスダック指数が1.8％高と3日ぶりに反発した。朝方公表された10〜12月期の米GDP（実質国内総生産）速報値は年率換算で2.9％増となり、7〜9月期（3.2％増）からは減速したものの、市場予想（2.8％増）は上回っている。利上げペース加速の懸念にはつながらず、米経済がソフトランディング（軟着陸）するとの期待が高まった。電気自動車（EV）のテスラ株が急伸したこともハイテク株全体の追い風。同社の22年決算は純利益が前年比2.3倍に拡大。同社株は10％超上昇した。
　一方、中国国内の環境は安定している。本土市場は春節（旧正月）連休により、きょう27日までが休場となっているが、連休中の本土消費は活発化したと伝わっている。また、新型コロナウイルスの新規感染状況に関しては、すでにピークを打ったとの見方が強まる状況だ。なお、前日引け後に発表された22年12月の香港貿易統計は、輸出額が前年同月比28.9％減となり、予想（23.4％減）以上に縮小。ただ、今後の見通しは楽観されている。
　こうした中、本日の香港マーケットは全体としてしっかりとした展開となろう。前日に急伸したことで売り圧力は高まっているものの、米株市場の底堅い動きが投資家のリスク選好を高めそうだ。また、休場明けとなる週明けの本土市場が好スタートを切るとの観測も支えとなろう。


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