2023/03/08 08:58
売り先行か、米利上げ加速を警戒
◆8日の香港マーケットは、米利上げ加速を警戒した売りが先行する流れか。(亜州リサーチ編集部)
外部環境はネガティブ。7日の米株市場は、利上げ加速の警戒感が高まる中、主要指標のNYダウが前日比1.7%安と5日ぶりに反落し、ハイテク株比率の大きいナスダック指数が1.2%安と続落した。パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の議会証言は、タカ派(引き締めに積極的)的な発言が目立っている。足もとのインフレ高止まりを念頭に、「最終的な金利水準は従来予想より高くなる可能性がある」と指摘。利上げペースを加速させる用意があると述べた。今月21〜22日に開催される米連邦公開市場委員会(FOMC)での利上げ幅に関しては、前回の0.25%→0.5%に拡大する確率が70%に跳ねあがっている。米債券市場では、政策金利に連動しやすい2年債利回りが急上昇し(一時5.02%と2007年6月以来の高水準)、10年債利回りが2年債利回りを下回る逆イールド(景気後退の前兆とされる)も急拡大した。
一方、内部環境にも不安材料がある。昨日公表された今年1〜2月の中国貿易統計では、輸入が前年同期比で市場予想以上に縮小した。市場からは、内需の回復が遅れている――と指摘されている。
米中対立の不安もくすぶる状況。中国の秦剛・外交部長は7日、就任後初の記者会見に臨み、経済制裁など米国の対中政策を強く批判した。
こうした中、本日の香港・本土マーケットは売りが先行する展開となろう。上述したように、米利上げ加速が懸念材料だ。米ドル高を背景に、中国からの資金流出も懸念される。また、香港の金利動向は米金融政策に左右されるため、域内金利の上昇圧力が高まることもマイナスだ。ただ、中国では全国人民代表大会(全人代、国会に相当)が開催中とあって、経済政策に対する期待感は根強い。政策で恩恵を受けやすい銘柄などに、押し目買いが入ることには期待したい。
内容についてのお問い合わせは<info@ashuir.com>まで。
外部環境はネガティブ。7日の米株市場は、利上げ加速の警戒感が高まる中、主要指標のNYダウが前日比1.7%安と5日ぶりに反落し、ハイテク株比率の大きいナスダック指数が1.2%安と続落した。パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長の議会証言は、タカ派(引き締めに積極的)的な発言が目立っている。足もとのインフレ高止まりを念頭に、「最終的な金利水準は従来予想より高くなる可能性がある」と指摘。利上げペースを加速させる用意があると述べた。今月21〜22日に開催される米連邦公開市場委員会(FOMC)での利上げ幅に関しては、前回の0.25%→0.5%に拡大する確率が70%に跳ねあがっている。米債券市場では、政策金利に連動しやすい2年債利回りが急上昇し(一時5.02%と2007年6月以来の高水準)、10年債利回りが2年債利回りを下回る逆イールド(景気後退の前兆とされる)も急拡大した。
一方、内部環境にも不安材料がある。昨日公表された今年1〜2月の中国貿易統計では、輸入が前年同期比で市場予想以上に縮小した。市場からは、内需の回復が遅れている――と指摘されている。
米中対立の不安もくすぶる状況。中国の秦剛・外交部長は7日、就任後初の記者会見に臨み、経済制裁など米国の対中政策を強く批判した。
こうした中、本日の香港・本土マーケットは売りが先行する展開となろう。上述したように、米利上げ加速が懸念材料だ。米ドル高を背景に、中国からの資金流出も懸念される。また、香港の金利動向は米金融政策に左右されるため、域内金利の上昇圧力が高まることもマイナスだ。ただ、中国では全国人民代表大会(全人代、国会に相当)が開催中とあって、経済政策に対する期待感は根強い。政策で恩恵を受けやすい銘柄などに、押し目買いが入ることには期待したい。
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